新刊書紹介
東日本大震災とそれに伴う東電福島第1原発の事故から3年、原子力推進側は、国民を、放射能(したがって原発)と共存することを許容するように、様々な仕方で、洗脳しようと、懸命なようです。そうした側は、カネも権力もあり、「低線量は安全、安全、安全。。。。」を繰り返し、そうした声しか国民の耳に届かなければ、国民自身が、真実を知ろうと努力しない限り、洗脳されてしまいます。
そこで、真実を知らせようとして書いたのが、拙著、英文の「Hiroshima to Fukushima: Biohazards of Radiation」(Springer Verlag, 2013)でした。そこでのテーマは、「放射能とは本来(たとえ低線量でも)生命と相容れない」というものでした。そこで、日本の皆さんにも読んでもらおうと、その日本版(翻訳ではない)を書きました。講談社のブルーバックスでこの3月20日に発売されます。皆さんにも読んでいただいて、日本中の多くの方々にもお知らせいただけたら幸いです。下にその目次を添えます。第1部は、放射能の基本的な問題を、あまりテクニカルではなく、わかりやすくと思って書いた、概説です。第2部では、放射能とその生命への影響の科学的理論(核物理、化学、生物化学、分子生物、細胞学レベル)を、第3部では、これまでに得られたデータの主要なものを概観しました。スペースの制限もあるため、充分に議論を尽くせない部分も、また、自分の知識や能力の欠如で、間違った部分もあるものと思いますが、基本的なテーマ「低線量でも健康への影響はある」ことが、科学的に納得いく形で議論されているかどうか、皆さんのご批判もお聞かせいただけたら、幸いです。そして、これが本当とするならば、多くの国民にそのことを知らせてほしいものです。なお、3月11日を期して、「まえがき」と「第1章」は、先行版として、講談社ブルーバックスのウェッブサイトからダウンロードできますので、ご覧ください。
落合栄一郎
落合栄一郎著:
「放射能と人体—細胞・分子レベルからみた放射線被曝」
ブルーバックス(講談社、定価1080円(税別))
まえがき
第1部 放射能とは?
第1章 放射能はなぜ怖いのか
第2部 放射線とその健康への影響についての原理
第2章 原子力、放射線、そして化学物質
第3章 化学世界:化学物質とその生体系での挙動
第4章 放射線と化学世界・生命との相互作用
第5章 放射線の生体系への影響−外部被曝対内部被曝
第6章 細胞活動のコントロールと放射線に対する防御・修復
第3部 放射能の健康傷害:今までに得られたデータの概要
第7章 原爆の影響
第8章 原爆実験、原発からの漏洩:正常運転下、スリーマイル島原発事故
第9章 チェルノブイリ原発事故
第10章 福島原発事故
第11章 劣化ウラン弾
第12章 ガン発症の歴史的変遷
あとがき
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