2013年10月現在、0.12μSv/h以上の場所は管理区域。住むなんて、とんでもない!
「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」、「労働安全衛生法」など現行の法律では、以下の場所はどちらも、放射線の「管理区域」と決められています。
1.外部被ばく 1.3ミリシーベルト/3月 以上 |
2.表面汚染密度 4ベクレル/平方センチ 以上 (α線を出さない放射性同位元素) |
1は外部被ばくを少なくするための措置です。1.3ミリシーベルト/3月=5.2ミリシーベルト/年ですから、当然です。
2は内部被ばくを避けるための措置です。汚染されている所では体に放射性物質がくっついて被ばくしたり、体内に取り込んでしまう可能性があるからです。
管理区域内では、飲食、喫煙は禁止されています(電離放射線障害防止規則第41条の2)。
(2013年10月現在)
(クリックすると大きな画像を見られます。)
上の地図は、2013年10月現在、放射性セシウムだけで4ベクレル/平方センチ(=4万ベクレル/平方メートル)を超えると思われる「管理区域」を赤く塗り分けたものです。
福島県、栃木県、群馬県、茨城県の南北だけでなく、千葉県柏市付近、さらに岩手県奥州市・一関市にまで広がっています。
上の地図は文科省が2011年8月に発表した航空機モニタリングの結果を元に、セシウム134と137の減衰を考慮しています(事故時のセシウム134:137=1:1と想定、ベクレル数は原図作成時=2011年11月に比べ、0.76に減衰)。
空間線量で見ると、2013年10月現在、0.12マイクロシーベルト/時以上が「管理区域」です。
セシウム134は137にくらべ崩壊時のエネルギーが約2.4倍※なので、空間線量への影響が大きいのですが、半減期は2年で、半減期30年の137より早く減衰します。
このため、ベクレル数の減少よりも空間線量の減少の方が早くなります。
文科省は「1マイクロシーベルト/時=セシウム276,008ベクレル/m2(2011年6月基準)」と発表しています(16頁)。この時点では、約0.15マイクロシーベルト/時=4万ベクレル/平方メートルでした。
自然放射線による線量として0.04マイクロシーベルト/時を加えると、約0.19マイクロシーベルト/時=4万ベクレル(セシウム134+137)/平方メートルでした。
その後の減衰と自然放射線を計算に入れると、2015年6月現在では0.15マイクロシーベルト/時の空間線量率が管理区域に相当します。
2015年12月までの期間について、管理区域に相当する空間線量を示したのが上のグラフです(図をクリックすると大きな画像をみられます)。
原発で働いている作業員でさえ、表面汚染密度4万ベクレル/m2以上の管理区域では飲食・喫煙が禁止されています。
放射性物質が体や食物などに付いて、内部被ばくする危険性があるからです。
ましてや、今多くの人々が4万ベクレル/m2以上の汚染土壌の上で暮らしています。風が吹けば土の微粒子についた放射性セシウムが舞い上がり、吸い込んでしまいます。
昨年2月に福島県郡山市で6日間陰干しした大根に3,421ベクレル/キログラムもの放射性セシウムが付着しています。
管理区域で生活しては、いけないのです。
これは現在の放射線防護の法律に書かれていることです。
政府・東電は、少なくとも2011年3月11日以降、管理区域に相当した地域の人々に避難の権利を認めなければならないのです。
ちなみに、この管理区域相当区域での追加被ばく線量は年間1.0ミリシーベルト(2015年6月現在)~1.3ミリシーベルト(2011年3月現在)です。
※ 「核データの表」によると、セシウム137の1回の崩壊で出るガンマ線エネルギーを平均すると、
283.5keV×0.0006+661.7keV×0.851=563.3keV
セシウム134の場合は、
569.3keV×0.1537+604.7keV×0.976+795.9keV×0.855+847keV×0.0003
=1,358.4keV。
従って、セシウム134のガンマ線エネルギーは、137に比べ、1,358.4keV/563.3keV=約2.4倍です。
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