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原発関連企業から7,500万円ももらっていた「有識者」たちが再稼働基準を作っている! お漏らしの名雪審議官にとどまらない! 規制(寄生)委員会は電力会社などとの癒着を断ち切れ!

やっぱり電力会社べったりだった原子力規制委員会

 昨2012年12月1日以来、原子力規制委員会は日本原電・敦賀原発2号機直下の活断層調査を行ってきました。

 12月10日の「評価会合」では全員一致で活断層と判断しています。

 日本原電は東海第二原発と敦賀1,2号機の3機の原発しか持っていません。

 東海第二原発は運転開始から34年経ち、東海村長、つくば市議会、筑西市議会、かすみがうら市長などが廃炉・運転停止を求めており、再稼働は困難です。

 敦賀1号機はすでに運転開始から42年。「40年で廃炉」方針に従えば再稼働はむつかしい情勢です。

 この上さらに2号機直下に活断層があるとなれば、2号機も動かせなくなります。

 「2号機直下に活断層」は日本原電にとって「死活問題」なのです。

 12月1,2日の現地調査の翌3日、日本原電の市村泰規常務らはさっそく、原子力規制庁ナンバー3と称される名雪哲夫審議官と面会(2月5日朝日新聞朝刊34面、東京新聞朝刊2面)、4回目21日の面会で「事前に(報告書案の)内容を教えていただきたい」と依頼しました。(日本原電の記者会見発表)。

 名雪審議官は地震・津波の担当で「評価案」の文面を修正する権限を持っていました(朝日新聞・東京新聞 2月2日朝刊1面)。

 そして8回目に面会した1月22日、ついに名雪審議官が未発表の「評価案」を手渡したのです。

ろくに調査もしないで幕引きを図る田中委員長!
Photo

 名雪審議官が所属していたのは原子力規制庁です。

 原子力規制庁には「長官」がいて、「規制庁」の中に「規制委員会」があるような錯覚を覚えますが、実は上の図にあるように、規制委員会の下に規制庁があります。

 規制庁は規制委員会の「事務局」に過ぎず、規制庁長官は「委員長の命を受けて、庁務を掌理する」のです(原子力規制委員会設置法第27条)。

 従って、田中俊一・規制委員長は、名雪審議官の便宜供与事件を直ちに公表し、第三者委員会を設置して徹底的に調査し、原子力安全・保安院以前からずーっと続いてきた「事業者の虜(とりこ)」状態を克服するチャンスに転じなければならなかったのです。

 ところが実際には、1月23日に名雪審議官が自ら「申し出」て発覚したのに、2月1日まで隠蔽し、本人の言い訳を聞いただけで「金銭の授受や接待はなかった」と判断、審議官を「更迭」、出身官庁である文科省に出向させ、事務局職員に「幹部のこのような行為は誠に遺憾だ」と通達しただけでお茶を濁そうとしています。

 田中委員長が隠蔽している間に、「原子力災害対策指針・改訂原案」(1月24日)、「地震・津波に関する新安全基準案」(1月29日)などが次々に決められています。 

そもそも規制委員自身が欠格者

 フクシマ原発事故を引き起こしたのは、「全電源喪失は考慮する必要なし」の安全設計審査指針を決めた原子力安全委員会をはじめとする原子力ムラでした。

 その反省と称して原子力規制委員会が作られましたが、田中委員長は原子力委員会委員長代理を務めた原子力ムラ出身者です。

 更田委員は高速増殖炉・もんじゅを運営する原子力研究開発機構の副部門長、中村委員はアイソトープ事業を営むアイソトープ協会主査でした。

 更田委員、中村委員は規制委員会に規制される「事業者」の職員であり、原子力規制委員会設置法第7条第7項により、委員になる資格がありません。

 電力会社などからカネをもらってる「有識者」が再稼働基準を決めている!

 現在、規制委員会は原発推進派の多くの「有識者」を動員し、7月までに再稼働基準を確定すべく、猛スピードで原子炉新安全基準案や避難基準案などをでっち上げています。

 ところが、その「有識者」たちの自己申告によって、彼らの多くが電力会社など規制される側からカネをもらっていることが明らかになりました。

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原子力規制委員会ホームページの各検討チームの頁より作成

 詳細はダウンロード money.pdf (133.7K)

規制委員会・「有識者」にカネを出している企業
企 業 名 金  額
中電シーティーアイ 819万円
原子燃料工業 700万円以上
テプコシステムズ 628万円
グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン 580万円
東京電力 523.5万円
三菱重工業 500万円以上
電力中央研究所 500万円
原子力エンジニアリング 450万円以上
中部電力 445.2万円
東芝電力システム 346万円
四電エンジニアリング 337万円
原子燃料工業 300万円
日本原子力産業協会 関西原子力懇談会 264万円
日本核燃料開発 262.8万円
原電情報システム 200万円以上
原子力発電 150万円
ニュージェック 150万円
四国総合研究所 150万円
竹中工務店 106万円
原子力安全システム研究所 100万円
東電設計 45万円
中部電力、東京電力、日立造船 30万円
住友金属工業 黒塗り
新日鐵住金 黒塗り
7586.5万円以上
原子力規制委員会ホームページの各検討チームの頁より作成

 特にひどいのが「原子炉の新安全基準に関する検討チーム」です。

 6人のうち4人がカネをもらっており、山本章夫・名古屋大学教授に至っては2012年度までの4年間に、何と3,200万円以上ももらっているのです。

 現在12ある「検討チーム」などのうち、チームの全員がカネをもらっていないのはわずかに2つだけ。

 4つのチームは「自主申告」制度が始まってから4ヶ月以上経つのに、情報公開の気配もありません。

 公開されている「自主申告」の中には、なぜか金額に墨塗りされているものがあります。

 分かっているだけで、「有識者」が原発関連企業からもらっているカネは合計7,500億円をはるかに超えています。

 規制委員会は「有識者の自己申告」を知りながら、放置しています。

 こういう人たちが、原子炉の新安全基準を作っているのです!

 こんな規制委員会や「有識者」どもに私たちの命を預けるわけにはいきません。

 現在、原子力規制委員会は「原子力災害防止指針(改訂原案)」に対するパブリック・コメントを募集しています。

 原発関連企業と癒着したまま再稼働を推進しようとする規制委員会に断固抗議するパブリック・コメントをじゃんじゃん送りましょう!

(アース)

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