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2012年10月

福島原発事故ドキュメント 鎌中ひとみ監督の『内部被爆を生き抜く』の衝撃!

Photo

鎌中ひとみ監督の『内部被爆を生き抜く』感想!

 二本松の真行寺の副住職一家は一時新潟に子供を疎開させたのです。その後幼稚園を再開するに当たり、子供を呼び寄せる苦渋の選択をする、それからが悪戦苦闘、幼稚園を経営しているので、放射線被爆から子供を守る事を最優先に考え、本格的なガイガー測定器でチェック、園庭を除染し10分の1、0.2マイクロシーベルト/時。
 屋根は高圧水除染では効果なく、屋根の葺き替えに300万円もかかりました。戻ってまもなく自分の子供からセシウム尿(107ベクレル)が検出され、放射能汚染された食品を検査する為500万円掛け食品放射能測定器を購入、牛乳が汚染元と解かり食品を全て県外より購入。

 放射線を防護し自らの健康生活を守るには十分な資金(裕福な家庭)とパソコンなどある程度の技術的知識のあるお寺だから出来ることで一般的にはかなり難しいと感じました。
 それでもお寺の奥さんは避難した方がよかったのではと揺れ動き悩み続けそうです。檀家の人も動きたくとも動けないジレンマ。住むには放射能汚染対策にお金と手間と正確な情報と知恵などを総動員して生活せねばなりません。日常的に放射能を気にして生きていかねばなりません。肉体的にも精神的にも相当なストレスに耐える覚悟が必要です。そこまでしてと、考えるのですが原発事故被災地のやりきれない実情です。 

 副住職さんはカメラの前で『放射能を楽しく怖がろう』と言わざるを得ない苦悩が嫌と言うほど伝わってきました。

福島で内部被爆を生き抜くことは生半可な事ではできません。

あまりにも重すぎます。

 

ガンの発症は内部被爆によってDNAが傷つけられる事です。                  

 専門家の児玉龍彦さんによると、内部被爆によってパリンドローム(DNAの回文構造)誤複製(コピー2個のはずの7q11が3個出来てしまい、甲状腺がんを誘発する)が起きるそうです。(後日聞いた話では、DNA検査で被爆による甲状腺ガンか、特定できる可能性があるらしいです。)                                             

 児玉さんの除染の意見では一軒500-1000万かけないと無理との事。今の政府東電などは70万。しかもゼネコンにマニュアルを渡し、丸投げ。これでは上手くいかないのが当たり前だそうです。それに除染したからと言って「はい、そうですか」で戻る人はなく、補償、生活保障、環境整備が必要との事。いったい幾らになるかわかりません。それよりやむを得ず住んでいる人の周囲の除染を示唆しているようです。肝心の森林除染には言及せず。

特典映像では5千人の官僚が原子力ムラに巣食い牛耳っていたとの事。これらを2008年頃金子勝と語らい、彼らに年金を弾んでも良いから早期退職させた方が国の為になると話していたそうです。 

鎌田さんが「100ミリ以下ではガン以外の疾病が科学的に認められない」と言っているのは残念。体内蓄積のセシウムは汚染食から健康食に切り替え90日で浄化されるとは大変疑問。セシウムの挙動をカリウム同様に考えるのは疑問で、体内に蓄積する可能性がある。安全を吹聴するのは医師として怪しい。 
 もう一つ鎌田さんの見解、原子炉を運転している以上、日本全国民は炉から出る希ガスを嫌でも吸っていて3人に1人がガンになったのではないかと言っておりますが、核実験の影響が抜けているのが気になります 

 ゴメリ州の医者は1歳から子宮がんを発症してしまう悲惨な被爆の事例、多くの子供が鼻血をだすなど鼻の粘膜を刺激し血管から放射性物質が浸入して身体をめぐり、様々な病気が引き起こされ、巨大児や奇形児(手足や口の異常)の出産等、山ほどの事例これから福島に起こることへの警告のようです。 

 最後に肥田さんの特典映像を見ました。原爆の急性被爆で血を体中から噴き出し亡くなっていくなど、あまりにも悲惨なことです。 

 生き残っても被爆の苦しみは何年たっても消えない、現状では健康と思われる生活をして免疫を高めろとの事。 

「内部被ばくを生き抜く」ご案内

「ミツバチの羽音と地球の回転」http://888earth.net/
「内部被ばくを生き抜く」http://www.naibuhibaku-ikinuku.com/

■自主上映スケジュール http://888earth.net/trailer.html
■劇場上映スケジュール http://888earth.net/news/theater.html

《ブログ》http://888earth.net/staffblog/
《Twitter》監督→@kama38/スタッフ→@888earth
「内部被ばくを生き抜く」→@ikinukun

byゼロマン


11月15日(木) 緊急集会「日本はインドに原発を輸出するのか?」
 ~日印原子力協力協定の問題点とインドの反原発運動~

 午後6時開場 6時半~8時半

 連合会館(旧 総評会館) 402号室
  千代田線新御茶ノ水駅、丸の内線淡路町駅、新宿線小川町駅 B3出口すぐ。

  JR御茶ノ水駅・聖橋口から徒歩5分

 <主催> シン首相来日緊急集会実行委員会

11月16日(金) 大飯原発を停止せよ! 首相官邸前抗議

 午後6時~8時(予定)

 首相官邸&国会議事堂周辺

 国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。

 霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください。

 主催:首都圏反原発連合

11月16日(金) クダンクラム原発稼働反対! インド政府は住民弾圧やめろ!
 日印首脳「原発会談」抗議! 11.16緊急アクション

 午後8時~

 衆議院議員面会所前

Abf2uav

 呼びかけ:東電前アクション

11月18日(日) シンポジウム「広島、長崎、チェルノブイリ、福島-事実に基づく放射線影響の研究-」

 10時半~17時

 平和と労働センター・全労連会館 2階会議室(文京区湯島2-4-4)

 1.「核政策支配下の放射線影響研究と内部被曝」 
   (沢田昭二・元名古屋大学 )  10:40~11:30

 2.「放射線による健康影響の考え方―水俣病研究の経験から」
   (高岡滋・水俣市神経内科リハビリテーション協立クリニック) 11:30~12:20

 3 . 「10ミリシーベルトでも許容できない―日本の原発労働者、チェルノブイリ、 医療被曝データによる証明―」
    (松崎道幸・北海道深川市立病院)    13:10~14:00

  4.「放影研のがん死亡率を日本人平均と比較すると」
   ( 渡辺智之・愛知学院大/コメント 宮尾克・名古屋大学)       14:00~14:50

  5.総合パネラーと参加者の総合討論
  「今後の内部被曝を中心とした被曝影響の研究と放射線防護の在り方」 15:00 ~16:50

 主催:市民と科学者の内部被曝問題研究会 疫学・物理・生物・化学部会

11月20日(火) 自民党本部前抗議

 午後6時~8時(予定)

 有楽町線・半蔵門線・南北線 永田町駅3番出口 徒歩1分

 主催:首都圏反原発連合

11月27日(火) 経団連会館前抗議

 午後6時~8時(予定)

 丸の内線・東西線・千代田線・半蔵門線 大手町駅 c2b出口直結

 主催:首都圏反原発連合



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核廃棄物を地下に埋めるのは、こんなに危ない! (その1)原発で放射能が1億倍に

原発を運転すると放射能が1億倍に増える!

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2012年10月1日 NHK総合テレビ・クローズアップ現代「10万年の安全は守れるか ~行き場なき高レベル放射性廃棄物~」より 以下、同様

 画像をクリックすると、大きな画像が表示されます。

 上の図は縦軸も横軸も対数目盛になっています。

 ウラン1トンの核燃料を核分裂させると、上の図のように、100ギガベクレルだった放射能が1億倍に増え、100億ギガベクレルの死の灰(核分裂生成物)になります(ギガベクレルは10億ベクレル)

 「原子力発電」なんて言ってるけど、実はウランを核分裂させて、放射能を1億倍にすることなんです。その過程で熱が出て、その約3分の1を電気に変えているだけなんです。

 1億倍って、すごいですよ。8桁上がりますからね。

 例えば、福島原発事故の前だったら、空間線量はせいぜい0.05マイクロシーベルト/時くらいでした。

 これが1億倍になったら、5シーベルト/時です。

 1時間半もいたら死んでしまいます。

20121017074  

 画像をクリックすると、大きな画像が表示されます。

 放射能が1億倍になった使用済み核燃料は、猛烈な熱を出しながら核分裂を続け、次第に放射能が低下していきます。

 元のウラン燃料のレベルまで放射能が低下するには少なくとも10万年かかると言われています。

 この使用済み核燃料など、高レベル放射性廃棄物をどう処分するか、方針も決まらないまま、原発はスタートしたのです。

(続く)

(アース)


2013年も原発ゼロへ がんばろう!

1月5日(土) 高田馬場 脱原発デモ

20130105_6

 13時半 西戸山公園(西武新宿線・JR・地下鉄東西線 高田馬場駅から徒歩7分)

 14時 デモ開始

 主催:反原発西武線沿線連合

毎週金曜! いますぐ原発ゼロに! 大飯原発を停止せよ! 首相官邸・国会議事堂周辺抗議

 1月11日、18日、25日

 午後6時~8時(予定)

 首相官邸&国会議事堂周辺

 国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。

 霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください。

 主催:首都圏反原発連合

1月20日(日) 西尾正道氏講演会 -放射線の人体への影響-甲状腺異常など内部被曝を中心に

 午後1時半~5時

 中央大学駿河台記念館610号室

  千代田区神田駿河台3-11-5

  JR中央・総武線 御茶ノ水駅下車、徒歩3分

  東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅下車、徒歩6分

  東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅下車(B1出口)、徒歩3分

  都営地下鉄新宿線 小川町駅下車(B5出口)、徒歩5分

 資料代:1000円

 参加人数把握のため、ご参加希望の方はファクス(03-5368-2736)かメール(kokumin-kaigi.syd.odn.ne.jp)でご連絡下さい。

 主催:NPO法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議

1月22日(火) 経団連会館前抗議

 午後6時~8時

 丸の内線・東西線・千代田線・半蔵門線 大手町駅 c2b出口直結

 主催:首都圏反原発連合

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原子力規制庁は国民監視規制庁!CIAも顔負け!!

規制庁(寄生庁)は公安虫も寄生!!

寄生庁の親玉はやっぱり原子力規制軽視(警視)長官殿ですか?

Kao

指名手配ではありません?

原子力規制庁は国民監視規制庁!市民やメディアを公安警察が監視!

◇規制委 傍聴席に私服警官、「秩序維持のため」事務局が依頼
 (10月11日 東京新聞より)

 10日に開かれた原子力規制委員会の第4回委員会に、事務局の原子力規制庁
が傍聴席に私服の警察官を入れ、気づいた傍聴者との間で騒ぎが起きた。
(中略)一般傍聴者や報道関係者と異なる入館証を身に着けていたため、一部
の傍聴者が気づき、大声で退席を求める騒ぎになった。警察官はその後、会議
室から立ち去った。
-----
(アワープラネットTVより)
公安警察に委員会監視を要請 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453
現場の映像を、ぜひ皆さんの目で確かめて下さい。
---OurPlanetTVに対して撮影をやめるように声を荒げた。市民は「何のた
めの警戒なのか」「一般市民の知る権利を侵害してる」と廊下まで出るように
求めたが、警察は「自信を持って仕事をしている」と応酬し、一時、押し問答
となった。

寄生庁の大幹部は確かに自信持てるメンバーだ!
原子力規制庁の初代長官は前警視総監の池田克彦氏(59)。
次長は内閣官房で規制委の設立に携わった森本英香氏(55)、
原子力地域安全総括官は警察庁の黒木慶英氏(54)。

この人事ではまるで警察庁の出先機関、国民監視機関、旧ソ連KGBと変わらない!


「日本の公安警察」の著者でジャーナリストの青木理さんは、
「規制庁が警察に警備を要請し、公安警察が情報を収集しているとしたら気持ち悪い話だ。
規制庁のモラルが問われる。
規制庁のトップが、池田克彦元警視総監であることとも関係がある可能性が高いのではないか」と指摘している。

●以下関連ブログ、記事など紹介!!

  1. 原子力規制委員会~公安警察に委員会監視を要請 | OurPlanet-TV ...

    www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 - キャッシュ
    1 日前 – 写真:警察に抗議する市民を制止する原子力規制庁職員(右)麻布警察署の警察官( 中央) 先月9月19日に発足した原子力規制委員会が、委員会の傍聴者やメディアを監視するために、警察要請していたことが10日わかった。 委員会の傍聴者やメディア .... 庁の職員、委員に渡さず http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1452 ...
  2. 【OurPlanet動画】原子力規制委員会~公安警察に委員会監視を要請 ...

    blog.goo.ne.jp/...s.../0ca126e5ee70baa4d2ef9fc743b66b5b - キャッシュ
    1 日前 – 原子力規制委員会公安警察に委員会監視を要請 http://www.ourplanet-tv.org/?q= node/1453 =============================== === 先月9月19日に発足した原子力規制委員会が、委員会...
  3. 原子力規制委員会~公安警察に委員会監視を要請 | OurPlanet-TV ...

    ceron.jp/url/www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 - キャッシュ
    原子力規制委員会公安警察に委員会監視を要請 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー. URL:www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 登録日時:2012-10-10 21:43 | サイト情報:www.ourplanet-tv.org. 81 LINK キーワード ...
  4. OurPlanet-TV~原子力規制委員会、公安警察に委員会監視を要請

    www.labornetjp.org/news/2012/1349959850091staff01
    15 時間前 – 民主主義の根幹を揺るがす大きな問題ですが、マスメディアはほとんど報道しません。 ぜひ、OurPlanet-TVの取材を応援してください。 原子力規制委員会公安警察に委員 会監視を要請 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 ...
  5. 白石草 (hamemen) on Twitter

    https://twitter.com/hamemen - キャッシュ
    ブログに貼り付けたい方用にyoutube版あり。http://www.youtube.com/watch?v=0ekB -WUrRvQ&feature=plcp … 原子力規制委員会公安警察に委員会監視を要請 | OurPlanet-TV:http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 ”. View media Hide media ...
  6. 原子力規制委員会~公安警察に委員会監視を要請|OurPlanet-TV:特定 ...

    newvo.jp/.../ ...
    原子力規制委員会公安警察に委員会監視を要請|OurPlanet-TV:特定非営利活動法人アワープラネット・ティービー. 社会・政治2012年10月10日 23時07分 | http://www. ourplanet-tv.org/?q=node/1453. 傍聴者,; 原子力規制委員会,; 公安警察,; メディア, ...
  7. 規制委 公安警察に委員会監視を要請 - おばあちゃんの鐘馗(しょうき ...

    blogs.yahoo.co.jp/yfqsx494/53319745.html
    14 時間前 – 規制委 傍聴席に私服警官、「秩序維持のため」事務局が依頼. (10月11日 ... 10日に開かれた原子力規制委員会の第4回委員会に、事務局の原子力規制庁 ... 公安警察に 委員会監視を要請 http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 ...
  8. 原子力規制委員会~公安警察に委員会監視を要請 | OurPlanet-TV ...

    rturl.net/DIbeIq - キャッシュ
    1 日前 – 公安警察がメディアと傍聴者を監視→【新着動画】「原子力規制委員会公安警察に 委員会監視を要請」市民と公安警察とのやりとりの映像あり。 http://t.co/Wa3N1wt3 白石草のツイート ... 48RT http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 ...
  9. 【本日12日】原子力規制委員会前アピール(19時?20時)へ!: 脱原発 ...

    datsugenpatsu.sblo.jp/article/59105057.html
    9 時間前 – 【問合せ】 090-8116-7155(阪上) 【関連情報】 原子力規制委員会公安警察に委員 会監視を要請(動画:OurPlanet-TV) http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1453 原子力規制庁の透明性に疑問 「試行錯誤」と釈明(産経、10月9日) ...
  10. 原子力規制委員会会議に公安警察 傍聴者やメディアを監視 - 日刊ベリタ

    www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201210110649494 - キャッシュ
    1 日前 – 原子力規制委員会公安警察に委員会監視を要請 http://www.ourplanet-tv.org/?q= node/1453 =============================== === OurPlanetTVによると、委員会監視に警察を要請していた ...

byゼロマン

11月15日(木) 緊急集会「日本はインドに原発を輸出するのか?」
 ~日印原子力協力協定の問題点とインドの反原発運動~

 午後6時開場 6時半~8時半

 連合会館(旧 総評会館) 402号室
  千代田線新御茶ノ水駅、丸の内線淡路町駅、新宿線小川町駅 B3出口すぐ。

  JR御茶ノ水駅・聖橋口から徒歩5分

 <主催> シン首相来日緊急集会実行委員会

11月16日(金) 大飯原発を停止せよ! 首相官邸前抗議

 午後6時~8時(予定)

 首相官邸&国会議事堂周辺

 国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。

 霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください。

 主催:首都圏反原発連合

11月16日(金) クダンクラム原発稼働反対! インド政府は住民弾圧やめろ!
 日印首脳「原発会談」抗議! 11.16緊急アクション

 午後8時~

 衆議院議員面会所前

Abf2uav

 呼びかけ:東電前アクション

11月18日(日) シンポジウム「広島、長崎、チェルノブイリ、福島-事実に基づく放射線影響の研究-」

 10時半~17時

 平和と労働センター・全労連会館 2階会議室(文京区湯島2-4-4)

 1.「核政策支配下の放射線影響研究と内部被曝」 
   (沢田昭二・元名古屋大学 )  10:40~11:30

 2.「放射線による健康影響の考え方―水俣病研究の経験から」
   (高岡滋・水俣市神経内科リハビリテーション協立クリニック) 11:30~12:20

 3 . 「10ミリシーベルトでも許容できない―日本の原発労働者、チェルノブイリ、 医療被曝データによる証明―」
    (松崎道幸・北海道深川市立病院)    13:10~14:00

  4.「放影研のがん死亡率を日本人平均と比較すると」
   ( 渡辺智之・愛知学院大/コメント 宮尾克・名古屋大学)       14:00~14:50

  5.総合パネラーと参加者の総合討論
  「今後の内部被曝を中心とした被曝影響の研究と放射線防護の在り方」 15:00 ~16:50

 主催:市民と科学者の内部被曝問題研究会 疫学・物理・生物・化学部会

11月20日(火) 自民党本部前抗議

 午後6時~8時(予定)

 有楽町線・半蔵門線・南北線 永田町駅3番出口 徒歩1分

 主催:首都圏反原発連合

11月27日(火) 経団連会館前抗議

 午後6時~8時(予定)

 丸の内線・東西線・千代田線・半蔵門線 大手町駅 c2b出口直結

 主催:首都圏反原発連合


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あなたも福島原発事故の責任者を告訴・告発しませんか!

 恐怖の福島原発事故から1年半以上経ちましたが、私たちはいまだに食材の選択に悩み、4号機使用済み核燃料プール崩壊の危険に怯えて暮らしています。 

 何の準備もないままに原発周辺から避難する途中で、多くの病人・高齢者が亡くなりました。

 何十万人という人々が避難を余儀なくされています。

 収束作業に当たった作業員、消防庁職員などが高レベルの被曝をしています。

 そしていまだに多くの人々が被曝しながらの生活を強いられています。

 昨年7月8日には作家の広瀬隆氏とルポライターの明石昇二郎氏が福島原発事故の責任者らを告発しました。

 今年6月11日には福島県民1,324人が「福島原発告訴団」を結成し、責任者らを福島検察庁に告訴しています。

Photo

告訴・告発人になろう!

 国会事故調などの最終報告書が出揃った8月1日、東京地検、福島地検などが告訴・告発を受理しました。

 しかし刑事事件として起訴に至るには、多くの困難が予想されています。

 起訴に持ち込むには、皆の声を検察当局にぶつけていくことが必要です。

 福島原発告訴団は福島県民に限らず、全国から告訴・告発人1万人を募集しています。

 福島原発事故で被害を受けた人は告訴人になれます。

 告訴は、犯罪の被害者が捜査機関に対して、自ら犯罪事実を申告し、犯人の刑事処罰を求める意思表示です。

 「きちんと捜査し処罰してもらいたい」と意思表示するもので、民事裁判による損害賠償請求ではありません。

 被害は受けていないけど、この事故は許せない!という人は、告発人になれます。

 告発とは、被害者でも犯人でもない第三者が、捜査機関に犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思表示をするものです。

 実際に裁判を行い、刑事責任を追及するのは検察です。

 告訴人、告発人になっても、法廷に呼ばれるわけではありません。

刑事責任を問う相手は?

 福島原発告訴団が告訴した相手は以下のとおりです。

被告訴・告発人目録
氏 名 所 属 役  職
1 勝俣恒久 東京電力株式会社  取締役 会長
2 皷 紀男 取締役副社長
福島原子力被災者支援対策本部兼原子力・立地本部副本部長
3 西澤俊夫 取締役社長
4 相澤善吾 取締役副社長
原子力・立地本部副本部長
5 小森 明生 常務取締役 
原子力・立地本部長兼福島第一安定化センター所長
6 清水正孝 前・取締役社長
7 藤原万喜夫 常任監査役・監査役会会長
8 武藤 栄 前・取締役副社長 原子力・立地本部長
9 武黒一郎 元・取締役副社長 原子力・立地本部長
10 田村滋美 元・取締役会長倫理担当
11 服部拓也 元・取締役副社長
12 南 直哉 元・取締役社長・電気事業連合会会長
13 荒木 浩 元・取締役会長倫理担当
14 榎本聰明 元・取締役副社長 原子力本部長
15 吉田昌郎 元・原子力設備管理部長 前・第一原発所長
16 班目春樹 原子力安全委員会 委員長
17 久木田豊 委員長代理
18 久住静代 委員
19 小山田修 委員
20 代谷誠治 委員
21 鈴木篤之 前・委員長(現・日本原子力研究開発機構理事長)
22 寺坂信昭 原子力安全・保安院 院長
23 松永和夫 元・院長(現・経済産業省事務次官)
24 広瀬研吉 元・院長(現・内閣参与)
25 衣笠善博 東京工業大学名誉教授
      (総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会 地震・津波・地質・地盤合同WGサブグループ「グループA」主査。総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会耐震・構造設計小委員会 地震・津波、地質・地盤合同WG委員)
26 近藤駿介 原子力委員会 委員長
27 板東久美子 文部科学省 前・生涯学習政策局長(現・同省高等教育局長)
28 山中伸一 前・初等中等教育局長(現・文部科学審議官)
29 合田隆史 前・科学技術政策局長(現・同省生涯学習政策局長)
30 布村幸彦 前・スポーツ・青少年局長(現・同省初等中等教育局長)
31 山下俊一 福島県放射線健康
リスク管理
アドバイザー
      
(福島県立医科大学副学長、日本甲状腺学会理事長)
32 神谷研二 (福島県立医科大学副学長、広島大学原爆放射線医科学研究所長)
33 高村 昇 (長崎大学大学院医歯薬学総合研究科教授)

 容疑は

 業務上過失致死傷罪(刑法211条):全員  

 公害罪(公害罪法3条 「業務上必要な注意を怠り、工場又は事業場における事業活動に伴つて人の健康を害する物質を排出し、公衆の生命又は身体に危険を生じさせた者」)

  東電役員(1~15)、法人としての東京電力株式会社。  

告訴人、告発人になるには?

 告訴人、告発人になる(=告訴団への入会)には、以下の3つの手続きが必要です。

 ① 会費(1口1000円以上)を納付する。

 ② 入会申込書と委任状、陳述書(任意)を書き、印かんを押す。

 ③ 上記3点を事務局へ送付する。

 以上ですべてです。

 必要書類などは告訴団のブログからダウンロードできます。

 告訴、告発の第一次締め切りは10月31日です。

原発ゼロに向け、あなたも告訴・告発人に!

 あれだけの大事故を起こし放射能をまき散らしながら、誰も刑事責任を問われないようでは、原発ゼロの実現は、おぼつかないでしょう。

 原発ゼロを実現するには、一人一人の具体的な行動が必要です。

 あなたもぜひ一緒に、告訴人・告発人になってください!

(アース)

日(金) 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議

 

2012年、日本はほぼ「原発ゼロ」で夏を乗り切りました。
既にこの国が原発に依存しておらず今すぐにでも原発をなくせることがはっきりと証明されました。
この秋、首都圏反原発連合は、市民の世論である「原発ゼロ」を直ちに実行するよう政府に要求するとともに、次に控えている衆議院選挙を視野に入れ、「全原発即時廃止」を争点にするよう各政党および候補者にはたらきかける未曾有の大規模キャンペーンを仕掛けます!
毎週金曜の首相官邸前抗議をはじめ「11.11反原発1000000人大占拠」、「徹底討論!脱原発実現のための『脱原発法』意見交換会」など今後のアクションが目白押しです。
「原発ゼロ」を望む皆さんで、世論を盛り上げ、必ずや即時廃止を実現させましょう!

 18:00~20:00 予定

 首相官邸前および永田町・霞が関一帯

  (霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください)

 ※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。

 呼びかけ:首都圏反原発連合

11月7日(水) 高レベル放射性廃棄物 地層処分は可能か

-日本学術会議の原子力委員会への回答をめぐってー

 午後6時半~9時

 日比谷図書文化館(旧日比谷図書館) B1 コンベンションホール

 講師:舟橋晴彦さん(法政大学社会学部教授)

 資料代 1000円(事前申し込み不要)

 主催:原子力資料情報室

11月11日(日) 反原発1000000人大占拠

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 国会・官邸・永田町・霞ヶ関へ向けた反原発巨大デモの後、政治の中枢一帯を一大占拠し、大抗議行動を開催。

 11月11日(日)午後

 主催:首都圏反原発連合


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核燃料リサイクルの大嘘!「核燃料、95%リサイクル」 実際はわずか1% 原発環境整備機構

 高レベル放射性廃棄物の最終処分場の選定を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)が、二〇一〇年に全国規模でアンケートをした際、あたかも使用済み核燃料のほとんどが再利用でき、核のごみはわずかであるかのような説明をし、回答を求めていたことが分かった。実際に再利用できるのはわずか1%で99%はごみと化す可能性が大。誤った認識を広げる結果になっていた。 (清水祐樹、大村歩)

 アンケートは、最初の設問で「使用済み核燃料の95%がリサイクルできます。どうしてもリサイクルできない約5%が高レベル放射性廃棄物として残ることを知っていますか」と聞いた。

 アンケートには五万人を超える人が回答。一部は機構ホームページ(HP)に掲載されている。本紙が回答を分析したところ、およそ五十人に一人が「5%」に言及。「5%のごみをエネルギーに変える努力をして」(四十代男性)、「5%の部分も利用できれば最高」(五十代女性)といった楽観的な内容が多く、機構の「95%再利用」の説明を信じ込んでしまったようだ。

 しかし、この説明は現実と大きく異なる。再処理により再利用できるのは、95%どころかたったの1%。取り出されたプルトニウムに別のウランを混ぜて混合酸化物燃料(MOX燃料)に再生している。「95%」のほとんどを占める回収ウランは、建前上は資源とされるが、使うあてはなく、ごみと化す可能性が高い。

 さらに、核燃料は何度でも再利用できるわけではなく、現実には一回のみ。MOX燃料を燃やした後は、再処理すること自体が難しく、これもごみ化する可能性が高い。

 なぜ不正確なアンケートの設問をつくったのか、機構に問い合わせたが、「当時の経緯は分からないが、誤った情報を出すはずがない」(広報担当者)と繰り返すのみ。95%再利用の部分も「間違っていない」と繰り返すだけで、是正する考えはない。

<高レベル放射性廃棄物の最終処分場> 高レベル放射性廃棄物は原発の使用済み核燃料の再処理で発生する超高濃度の廃液で、ガラスで固めて300メートルより深い地中に埋め、濃度が下がるまで数万年単位で管理するのが国の方針だ。処分場の条件は近くに活断層や火山がない地域。実施団体として設立された原子力発電環境整備機構が2002年に候補地の公募を始めたが、応募は07年の高知県東洋町(後に撤回)のみで、選定のめどは立っていない。

結局1パーセントのMOXも1回だけ100パーセント高レベル放射性廃棄物となり処分できない核のゴミの山と化す!!Photo_2             

byゼロマン


日(金) 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議

2012年、日本はほぼ「原発ゼロ」で夏を乗り切りました。
既にこの国が原発に依存しておらず今すぐにでも原発をなくせることがはっきりと証明されました。
この秋、首都圏反原発連合は、市民の世論である「原発ゼロ」を直ちに実行するよう政府に要求するとともに、次に控えている衆議院選挙を視野に入れ、「全原発即時廃止」を争点にするよう各政党および候補者にはたらきかける未曾有の大規模キャンペーンを仕掛けます!
毎週金曜の首相官邸前抗議をはじめ「11.11反原発1000000人大占拠」、「徹底討論!脱原発実現のための『脱原発法』意見交換会」など今後のアクションが目白押しです。
「原発ゼロ」を望む皆さんで、世論を盛り上げ、必ずや即時廃止を実現させましょう!

 18:00~20:00 予定

 首相官邸前および永田町・霞が関一帯

  (霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください)

 ※千代田線・丸ノ内線の国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。

 呼びかけ:首都圏反原発連合

11月7日(水) 高レベル放射性廃棄物 地層処分は可能か

-日本学術会議の原子力委員会への回答をめぐってー

 午後6時半~9時

 日比谷図書文化館(旧日比谷図書館) B1 コンベンションホール

 講師:舟橋晴彦さん(法政大学社会学部教授)

 資料代 1000円(事前申し込み不要)

 主催:原子力資料情報室

11月11日(日) 反原発1000000人大占拠

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 国会・官邸・永田町・霞ヶ関へ向けた反原発巨大デモの後、政治の中枢一帯を一大占拠し、大抗議行動を開催。

 11月11日(日)午後

 主催:首都圏反原発連合

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暴かれた20ミリシーベルト安全論の虚構 ウクライナ政府報告書に見る病気の蔓延

ウクライナ政府報告書「未来のための安全」

 

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 昨年4月、ウクライナ政府は「チェルノブイリ事故から25年 未来のための安全」と題する報告書を発表しました。

 その内容は9月23日のETV特集「シリーズ チェルノブイリ原発事故・汚染地帯からの報告 第2回 ウクライナは訴える」で紹介されました。 

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 ETV特集取材チームが書いたくわしい本「低線量地域からの報告」も最近刊行されています。

 「ウクライナ政府報告書」の3章、4章が翻訳されつつあります

 チェルノブイリ原発事故当時、放出された放射能は主に北東方向に運ばれ、ウクライナの汚染はベラルーシに比べれば少ない方でした。

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クリックすると大きな画像を表示します。

 今回の報道によってあきらかになったのは、ベラルーシに比べれば放射能汚染が少ないウクライナでも、被曝した親から生まれた子どもの8割が病気を抱えているという現実です。

子どもの8割が慢性疾患を抱えている

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クリックすると大きな画像を表示します。

 上の図の表題にある「被曝した親」というのは、

チェルノブイリ原発の事故処理作業に従事した「リクビダートル」と呼ばれる人約32万人、

原発周辺の立ち入り禁止区域からの避難民約8万人、

低線量汚染地域(年間外部被曝5ミリシーベルト未満)の住民約153万人、

計193万人です。

 その親から生まれた第2世代は約32万人です。

 2008年には約8割の子どもが慢性疾患を抱えているという、異常事態になっています。

 どんな病気が増えているのでしょうか。

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 2009年には、1992年に比べて内分泌系の病気が11.6倍、消化器系の病気が5倍など、急増しています。

 ウクライナでは、チェルノブイリ被災地の学校に特別の規則を作っているそうです(ETV特集「ウクライナは訴える」、低線量汚染地域からの報告」215頁)。

 低学年では10分間、高学年では5分間、授業が短縮されています。

 事故の前には、5年生から11年生まで各学年で試験がありましたが、チェルノブイリ事故の後は、9年生と最終学年11年生以外は試験が廃止されました。

 低学年には宿題も出さないそうです。

 試験勉強をすると、生徒が無理をして倒れることがあるからだそうです。

 子どもたちが疲れやすくなっているようです。

低線量汚染地域でも

 ETV取材班はウクライナ・ジトーミル州コロステン市の学校を訪問しています。

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 日本の中学2年生にあたる子どもたち18人にインタビューしたところ、

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 バグダーナさん「7年生のときから、時々意識を失います。高血圧で上が160です。学校から救急車で病院に運ばれたこともあります。毎日薬を飲んでいます。」

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 デニス君「生まれつき慢性気管支炎です。あとは、朝起きると体の関節、特に足が痛いんです。あまり痛みが強いので入院したこともあります」

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 マキシム君「めまいとジストニアがあります。体育のとき具合が悪くなることが多いです。4年生からずっとこんな具合で、毎日薬を飲んでいます」

 タチアナさん「子どもの頃から腸が痛いし、胃潰瘍です。入院したこともあります」

 アリョーナさん「甲状腺肥大です。生まれてからずっと、足や頭が痛くなることが時々あります」

 マリーナさん「生まれつき心臓が悪いんです。頭も痛いし、薬を毎日飲んでいます」

 完全に健康だと答えたのは、18人中4人だけだったという。

 保健師さんによると、生徒の健康状態は以下の通り。

全校生徒485人の健康状態
甲状腺など内分泌疾患 48.2%
肉体発育障害
(背骨が曲がっているなど)
22.1%
目の障害 19.2%
呼吸器の障害 6.7%
消化器疾患 5%
神経疾患 5%

 正規の体育の授業を受けられるのは全校で14人だけ。

 他の子どもは特別な軽い体操のグループに入っている。

 保健室には、鎮痛剤、胃腸薬、心臓の薬まで常備されていて、救急車を1日3回呼ぶこともあるという。

(以上、ETV特集「ウクライナは訴える」、「低線量汚染地域からの報告」より)

コロステン市住民の25年間の被曝線量は15~26ミリシーベルト

 ウクライナでは1991年2月、影響を最も受けやすい子どもたちに対するチェルノブイリ事故による被曝量を、どのような環境のもとでも、年間1ミリシーベルト以下、一生の被曝量を70ミリシーベルト以下に抑えることが決められました(「ウクライナでの事故への法的取り組み」)。

 これに基づいて、チェルノブイリ事故で汚染された地域を以下の4つのゾーンに分けています。

ウクライナの法に基づく放射能汚染地域の定義
No. ゾーン名 土壌汚染密度 キロベクレル/平方メートル 年間被曝線量
ミリシーベルト/年
セシウム137 ストロンチウム90 プルトニウム
1 強制避難地域 定義なし 定義なし 定義なし 定義なし
2 強制移住地域 555超 111超 3.7超 5超
3 移住勧告地域 185~555 5.55~111 0.37~3.7 1超~5以下
4 放射能管理地域 37~185 0.74~5.55 0.185~0.37 0.5超~1以下
ウクライナでの事故への法的取り組み」、「低線量汚染地域からの報告」による

 強制避難地域と強制移住地域は年間5ミリシーベルト超なので事故から数年の間に避難・移住の対象となり、ほとんどがふるさとの土地を離れました。

 移住勧告地域と放射能管理地域は年間5ミリシーベルト以下で、事故後も住民は住んでいる。

 移住勧告地域の住民は希望すれば移住でき、一部の住民は移住したという。

 要するに、ウクライナでは、そこに住んでいいかどうかは「年間5ミリシーベルト」で決まる。

 これは外部被曝だけの議論だが、内部被曝も含めたトータルの被曝はどの程度なのだろうか。

 ウクライナでは空間線量の測定はもちろん、牛乳とじゃがいものセシウム汚染度を毎年測定しています。

 1995年から97年には内部被曝を測定するホールボディカウンター57台を設置、2008年までに約80万件の内部被曝データが蓄積されています("Twenty-five Years after Chernobyl Accident" 105-106頁)。

 これらのデータから、各地域の住民の被曝線量を推定することができます。

 ただし、内部被曝線量はあくまでも日本政府と同じICRP(国際放射線防護委員会)方式による計算なので、過小評価している可能性があります。

 さきほどの子どもたちが住んでいたコロステン市があるジトミール州の被曝状況を見てみましょう。

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ETV特集「ウクライナは訴える」より

 コロステン市は放射線管理地域と移住勧告地域にまたがっています。

 外部被曝と内部被曝を合わせた総被曝線量は、2011年までの25年間で、約15~26ミリシーベルトと推定されます。

 単純に25年間を平均すれば、0.6~1ミリシーベルト/年です。

 この程度の「低線量汚染地域」でも、子どもたちの約8割が病気を抱えているのです。

 ちなみに福島市内では、空間線量がいまだに0.5マイクロシーベルト/時=約4.4ミリシーベルト/年を超える地域があちこちにあります。

病気の原因は放射能だ 

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クリックすると大きな画像を表示します。

 上のグラフから、循環器系の病気、心筋梗塞・狭心症、脳血管の病気、筋骨格系の病気は、甲状腺の被ばくが多い人ほど、発病しやすいことが分かります。

 消化器系の病気、肝臓・胆管・すい臓の病気、精神病についても同様です。

  

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 白内障、胃炎・十二指腸炎、前立腺の病気など、さまざまな病気が被曝によって増えることが分かります。

「被曝による病気」を否定する「国際機関」
 

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ETV特集「ウクライナは訴える」より

 ウクライナ政府報告書は、放射線被ばくと関係がある病気として、白血病、白内障、小児甲状腺がん、心筋梗塞、脳血管障害など、多くの病気をあげています。

 ところが、国連科学委員会は、事故処理作業に当たった「リクビダートル」と呼ばれる人々の白血病と白内障、汚染されたミルクを飲んだ子どもに起きた甲状腺がんだけを放射能の影響とし認めています。

 しかし、チェルノブイリ事故5年後の1991年に至っても、IAEA(国際原子力機関)など「国際機関」は小児甲状腺がんについても、事故との因果関係を認めなかったのです。

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「低線量汚染地域からの報告」81頁より

 上の図に見られるように1989年には甲状腺がんが増加しているとウクライナの医師が報告した時、IAEAやソビエトの科学アカデミーは「超音波診断の精度が上がったから発見数が増えただけだ」と否定しました。

 IAEAは1991年、「放射線被ばくに直接結びつけられる健康障害はない(no health disorders that could be attributed directly to radiation exposure.)」とする報告書を発表していました。

 しかし100万人に0.5人と言われる小児甲状腺がんが年を追って増え続けました。

 甲状腺がんの主な原因となるヨウ素131の半減期は8日です。

 事故から2ヶ月経てばヨウ素131の放射能は約128分の1に減少します。

 6ヶ月以上経ってから生まれた子どもには、甲状腺がんはほとんど発見されませんでした。

 ヨウ素131によって甲状腺がんになることが科学的に証明されました。

 IAEAは1996年になってようやく甲状腺がんを放射線の影響と認めました(One Decade after Chernobyl)。

 小児甲状腺がんは非常に珍しい病気なので、増えれば目立ち、被ばくとの因果関係も調べやすい面があります。

 しかし今ウクライナで増加している一般的な病気は多くの原因が絡み、被ばくとの関係を科学的に厳密に立証するには困難が伴います。

被ばく影響を否定する国際原子力ムラ

 目のレンズは放射線に敏感で、被ばくすると白内障になります。

 WHO(世界保健機関)は2006年の報告で「250ミリシーベルトで起こり得る」とし、250ミリシーベルトが「しきい値」だと主張していました。

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 しかしウクライナ国立放射線医学研究所のパベル・フェデリコ医師が調べた結果、上のグラフのように、250ミリシーベルト(0.25グレイ)以下でも白内障が起こることが明らかになりました。

 WHOが増加を確認できないとしていた250ミリシーベルト以下でも被ばく線量と白内障の増加には関係があるという結果です。

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ETV特集「ウクライナは訴える」より

 この結果をヨーロッパの医学雑誌に投稿したところ、「これは確かに面白いし認めるが、限られた人しか興味を持たないことだ」として、掲載を拒否されたそうです(ETV特集「ウクライナは訴える」)。

 なぜ、こんなことがまかり通るのでしょうか。

 1953年12月、アイゼンハワー米国大統領は国連総会で演説し、「原子力の平和利用」を打ち出しました。

 国連のもとに国際原子力機関(IAEA)を設置し、これを通じて原発などの「平和利用」を推進しようと提案しました。

 1957年に設立されたIAEAは、国連の下で世界の健康問題を取り扱うWHO(世界保健機関)と、以下のような協定を結びました(「終わりのない惨劇」ミシェル・フェルネクスら)。

 「一方が、他方にとって多大な関心事である分野での、計画または活動を企てようとする度毎に、前者は後者に諮り、共通の合意において問題を処理するものとする。」

 原発推進機関であるIAEAは放射能による健康被害をできるだけ小さく見せようとし、WHOもIAEAの了解なしにはチェルノブイリ事故による健康被害を取り上げられない仕組みが作られていたのです。

「20ミリシーベルト安全論」の根拠は崩壊した 

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 昨年4月22日、日本政府は、一般人が被ばくしてもよい年間の被ばく量を20ミリシーベルトと定め、20ミリシーベルトを超えると予想される飯舘村などを「計画的避難区域」に設定しました。

 文科省が学校の線量基準も20ミリシーベルトとしたことに抗議の声が集中し、文科省は5月27日、「学校での被ばくを1ミリシーベルト以下にすることを目指す」と方針変更しました。

 その後、20ミリシーベルト基準の妥当性は「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループ」で検討されました。

 ワーキンググループの第2回会合で、ウクライナに足繁く通う木村真三・獨協大学准教授が「25年経って、明らかに病気、それもがん以外の病気が増加傾向にある」と報告しました。

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ETV特集「ウクライナは訴える」より

 これに対しワーキンググループ共同主査の長瀧重信・長崎大学名誉教授が「ワーキンググループは科学的に何が起こるか、議論したいものですから、ひ とつひとつの事情を見ていくと、科学的に認められたのはいわゆる甲状腺のがんで、それ以外は科学的には認められなかった」と切って捨てたのです。

 昨年12月22日の「報告書」では

「チェルノブイリ原発事故により周辺住民の受けた平均線量は、・・・500 万人の低レベル汚染地域住民で10 ~ 20 ミリシーベルトとされている(UNSCEAR(国連科学委員会)2008 年報告による)。

 これらの周辺住民について、他の様々な疾患の増加を指摘する現場の医師等からの観察がある。

 しかし、UNSCEARやWHO、IAEA等国際機関における合意として、子どもを含め一般住民では、白血病等他の疾患の増加は科学的に確認されていない。」

とし、

「現在の避難指示の基準である年間20ミリシーベルトの被ばくによる健康リスクは、他の発がん要因によるリスクと比べても十分に低い水準である

と結論づけました。

 科学的に立証されてからでは遅いのです。

 事故直後から被ばくしているのです。

 年間20ミリシーベルトをはるかに下回る被ばくで、ウクライナの人々はさまざまな病気を高率に発症しているのです。

 例え立証されていなくても、危険性が指摘されている以上、安全だとは言えない、というのが科学的な態度です。

内部被ばくに くれぐれもご注意を!

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 ウクライナ・ジトーミル州住民の累積被ばく線量をもう一度見てください。

 総じて、外部被曝の高い人は内部被ばくも高くなっています。

 ウクライナでも食品の放射能基準が決められており、市場では検査済みの食材しか販売できません。

 しかしウクライナでは事故後も自給自足の生活に近く、家庭菜園でとれた野菜、近くの森林で取れるキノコやベリーなどを食べている人が多いそうです。生活が苦しいからでしょう(「低線量汚染地域からの報告」)。

 土壌の汚染が高い所に住んでいる人ほど、汚染された食材を食べている可能性が高いわけです。

 ウクライナの医師たちは口々に内部被ばくを問題にしています。

 「汚染地域の子どもたちの健康が低下している原因はいくつかあります。まず、慢性的に体に入ってくるセシウムがあります。

 それと同時に、きちんとした食料の不足、ビタミン不足もあります。

 しかし、まだ研究の途中です」

  (ウクライナ国立放射線医学研究所のステパーノバ医師)。

 「(内部被ばくの)主な原因はミルク、そして肉だと思っています。

 最も危険なのは森で採れるもの、キノコやベリー類です。

 それらは8割方、基準を超えています。

 しかし人々はそれを採って食べています。」

  (コロステン中央病院副院長、アレクセイ・ザイエツ医師)

 「セシウムはあらゆる組織に蓄積します。

 肝臓、胃、脾臓、そしてもちろ血管です。」  

(同研究所 ウラジーミル・ブズノフ医師)

 (以上、ETV特集「ウクライナは訴える」より)

 内部被ばくをできるだけ避けるよう、くれぐれもご注意ください。

(アース)

追伸:

放射性ヨウ素はとっくになくなったのに、
いまだに甲状腺がんが増えている不思議

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クリックすると大きい画像を表示します。

 上のグラフはチェルノブイリ事故当時14歳以下だった子どもが甲状腺がんを発病する率が年々増加していることを示しています。

 特に、黒棒の高濃度汚染地域の子どもたちに顕著です。

 半減期の関係から放射性ヨウ素による細胞への電離作用は事故後2ヶ月も経てばほとんど終わっているはずなのに、事故後23年経った2009年でも増え続けているのは、なぜなのでしょうか。

 被ばく量が多いほど早く発病する傾向はあるようですが、それで説明できるでしょうか。

 グラフの白棒は対照とされた低濃度汚染地域の子どもの場合です。

 白棒と黒棒には明らかに違いがあるので、この現象が被ばくによるものであることが分かります。

福島甲状腺がんの因果関係は否定できない  

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 福島の子どもが一人、甲状腺がんになりました。

 福島県は「甲状腺がんは被曝から最短でも4~5年後に発症している」として、被曝による影響を否定していますが、これは事実に反します。

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 上のグラフはベラルーシ・ゴメリ州での甲状腺がんの発病数の変化を山下俊一氏(現・福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)が紹介したものです。

 チェルノブイリ事故前の1985年と事故の86年には1人だった甲状腺がんが、事故翌年の87年には4人に増えています。

 「4年経ってないから被曝のせいではない」などと言えないはずです。

 それを誰よりも熟知しているのは、この「県民健康調査」を主導する山下俊一氏です。

福島県健康調査で秘密会

福島健康調査:「秘密会」出席者に口止め 配布資料も回収

 毎日新聞 2012年10月03日 02時30分(最終更新 10月03日 05時14分)

 東京電力福島第1原発事故を受けた福島県の県民健康管理調査について専門家が意見を交わす検討委員会で、事前に見解をすり合わせる「秘密会」の存在 が明らかになった。昨年5月の検討委発足に伴い約1年半にわたり開かれた秘密会は、別会場で開いて配布資料は回収し、出席者に県が口止めするほど「保秘」 を徹底。県の担当者は調査結果が事前にマスコミに漏れるのを防ぐことも目的の一つだと認めた。信頼を得るための情報公開とほど遠い姿勢に識者から批判の声 が上がった。【日野行介、武本光政】                        

 9月11日午後1時過ぎ。福島県庁西庁舎7階の一室に、検討委のメンバーが相次いで入った。「本番(の検討委)は2時からです。今日の議題は甲状腺です」。司会役が切り出した。委員らの手元には、検討委で傍聴者らにも配布されることになる資料が配られた。

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画像をクリックすると大きな画像が見られます。
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低線量被曝 20年経てがん患者なお

 2001年頃から、ベラルーシ南西部ブレスト州の超低線量地域で甲状腺がんの患者が増えているそうです(2011年10月29日 中国新聞)。
2013年も原発ゼロへ がんばろう!

1月5日(土) 高田馬場 脱原発デモ

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 13時半 西戸山公園(西武新宿線・JR・地下鉄東西線 高田馬場駅から徒歩7分)

 14時 デモ開始

 主催:反原発西武線沿線連合

毎週金曜! いますぐ原発ゼロに! 大飯原発を停止せよ! 首相官邸・国会議事堂周辺抗議

 1月11日、18日、25日

 午後6時~8時(予定)

 首相官邸&国会議事堂周辺

 国会議事堂前駅は大混雑が予想されます。

 霞ヶ関駅、虎ノ門駅、桜田門駅をご利用ください。

 主催:首都圏反原発連合

1月20日(日) 西尾正道氏講演会 -放射線の人体への影響-甲状腺異常など内部被曝を中心に

 午後1時半~5時

 中央大学駿河台記念館610号室

  千代田区神田駿河台3-11-5

  JR中央・総武線 御茶ノ水駅下車、徒歩3分

  東京メトロ丸ノ内線 御茶ノ水駅下車、徒歩6分

  東京メトロ千代田線 新御茶ノ水駅下車(B1出口)、徒歩3分

  都営地下鉄新宿線 小川町駅下車(B5出口)、徒歩5分

 資料代:1000円

 参加人数把握のため、ご参加希望の方はファクス(03-5368-2736)かメール(kokumin-kaigi.syd.odn.ne.jp)でご連絡下さい。

 主催:NPO法人 ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議

1月22日(火) 経団連会館前抗議

 午後6時~8時

 丸の内線・東西線・千代田線・半蔵門線 大手町駅 c2b出口直結

 主催:首都圏反原発連合

 

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