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夏の怪談どころではない六ヶ所村の真下に走る大断層

六ヶ所村の真下に走る大断層

 

 二〇年前の報道によれば、核兵器工場であるアメリカのハンフォード再処理工場では、二八基ある廃液タンクのうち数基で水素ガスの発生が見られ、うち一基では相当に危険なレベルまでガスがたまったことがあった。その後は報道が途絶えたが、二〇〇四年には〝ニューヨーク・タイムズ″が、「ハンフォードの高レベル廃棄物が大事故の危機」と題して、寿命二八年のタンクに大事故が起こる確率は五〇%であると警告を発した。

 そこに、二〇〇八年五月二四日、六ヶ所再処理工場の直下に、これまで発見されなかった長さ一五キロメートル以上の活断層がある可能性が高いことを、東洋大学の渡辺満久教授、広島工業大学の中田高教授、名古屋大学の鈴木康弘教授のグループがまとめて、全国各紙で大きく報道され、三人は直後に次頁【図81上】に示される断層の存在を日本地球惑星科学連合の大会で発表した。再処理工場の目の前の沿岸には八四キロメートルにおよぶ大陸棚外縁断層(海底断層)が走っているが、新たに発見された断層は、この海底断層とつながって上陸し、六ヶ所再処理工場の敷地に走っていることが確実で、海底~陸上部合わせて全長がおよそ一〇〇キロメートルに達し、これが動けばマグニチュード八を超える巨大地震を起こすことが確実だというのである。

 このように同じ線状に並んだ断層は、日本列島を形成した構造線であるから、地下では一本につながっているので、動く時には、同時に動く。すでに述べたように、一本が動くと、他方も動いて大地震になることは、兵庫県南部地震の阪神大震災で体験ずみである。

   核燃料の再処理事業の問題 宇佐美 保より転載

Dansou
しかし最悪の場合、マグニチュード八でもすまないだろうと、私は考えている。『新編日本の活断層』(一九九五年三月一〇日、活断層研究会編、東京大学出版会)の断層地図【図81下】を見ると、従来から八四キロメートルの海底断層と言われてきたが、その直上には、北海道海域に走る断層線がある。原子力産業のように、これを二つの無関係の別の断層と見るのは、実際に起こる地震の動きを何も知らない人間である。

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