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放射性セシウムで心臓に異常? 食事調査に見る低線量内部被ばくの恐ろしさ 

福島原発事故前は放射性セシウムのない食事だったのに!
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2008年のデータは「環境放射線データベース」より詳細検索(放射能測定調査、日常食)

  上のグラフの青棒は2008年に各都道府県で普通に食べている1日分の食事に含まれているセシウム137の測定結果188件を値の小さいものから順に並べたものです(文科省調査)。

 グラフの左から半分過ぎまで青棒がないのは、「検出限界未満」だからです。

 青棒の放射能値は左の縦軸を見てください。

 188件の内、102件は「検出限界未満」、測定された最小値は0.00811ベクレルでした。

 検出限界未満は値が分からず平均値を計算できないので、測定値を順に並べて真ん中の中央値を調べても、「検出限界未満」でした。

 福島原発事故直前には、食事に放射性セシウムが含まれているなどということは、ほとんどなかったのです。

 上のグラフの赤棒は2011年12月、福島県内の26人が1日に飲食したものの放射性セシウムを測定した結果です(1件は「検出限界未満」 朝日新聞社・京大の共同調査)。

 赤棒の放射能値は右側の目盛です。左縦軸の約167倍になっています。

 中央値は4.01ベクレルでした。

 2008年の中央値は「検出限界未満」なので、福島原発事故後何倍に増えたのか計算できませんが、最低の測定値0.00811ベクレルの494倍です。

 食べ物が、恐ろしくなるほど放射能汚染されているのです。

一日4ベクレルを毎日食べると、どうなる?

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ICRP Publication 111を一部改変

 ICRPの2009年報告によると、一度に1,000ベクレルの放射性セシウムを摂取した場合、次第に排出され、1年後に体内に残っているのは90ベクレルです。

 ところが、毎日4ベクレルを食べると、放射性セシウムがどんどんたまっていき、排出と釣り合ってきて、約570ベクレルでほぼ平衡に達します。

 食べた人の体重当たりにすると、下のグラフの青棒のようになります。 

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各年齢ごとの体重は「平成21年国民健康・栄養調査報告」による。

 1歳児では55ベクレル/キログラム、7歳児で24ベクレル/キログラム。

 15歳児までは11ベクレル/キログラム以上になります。

心臓に異常が・・・

 チェルノブイリ原発の北、ベラルーシ共和国ゴメリ医科大学の学長だったバンダジェフスキー氏は、原発事故で放出されたセシウム137を体内に取り込むと、低線量でも大きな人体影響を引き起こすことを明らかにしています。

 人体の中でも、特に影響を受けやすいのが心血管系です。

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「放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響(久保田護訳 合同出版 2011年)」より

 体内のセシウム137濃度が高い子どもほど、心電図の異常が多くなり、血圧の高い子どもも増えます。

 11~26ベクレル/キログラムで半数以上の子どもに心電図異常が見られます。

 子どもだけではありません。

 ゴメリ医大の18~20歳の学生のセシウム137濃度は平均26ベクレル/キログラム。48.7%に明白な心電図異常が見られたそうです。

 チェルノブイリ事故後に突然死したゴメリ州の患者の剖検標本を検査したところ、99%の症例に心筋異常が見られたということです。

福島の人々への影響は・・・

 さきほどのグラフをもう一度見てみましょう。

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 朝日新聞社・京大の共同食事調査の結果、福島県内の食事に含まれる放射性セシウムの中央値は約4ベクレルでした。

 これを毎日食べ続けると、1~15歳児は11ベクレル/キログラム以上となり、心電図異常が多くなる可能性が考えられます。

 最大値の17.3ベクレルだった人は、ほぼ全年齢で40ベクレル/キログラムを超えています。

関東の人は・・・

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  朝日新聞社・京大の共同食事調査によると、上のグラフのように、関東の16人の食事のうち、7人は「検出限界未満」でしたが、最大値は10ベクレルを超えていました。

内部被ばくをできるだけ減らそう

 17.3ベクレルが検出された福島の方は、原発事故後は家庭菜園の野菜の皮は捨て、福島産の新米は食べていないという(朝日新聞 2012年1月19日夕刊39面)。

 6ベクレルだった福島の女性も、野菜はできるだけゆで、キュウリやトマトの皮もむき、県外の親類から食材を送ってもらっている。

 これだけ気をつけていても、高い放射能が検出されているわけです。

 関東でも油断はできません。

 放射能に汚染された食材を使わないよう、注意したいものです。

朝日新聞社は「放射能安全神話」に加担するな!

 朝日新聞社と京大の共同食事調査は、福島原発事故による放射能汚染の危険性を明らかにするものでした。

 しかし、朝日新聞はその調査結果を「福島の食事 1日4ベクレル」「内部被曝 国基準の40分の1」と報じ、共同で調査した京大教授の「福島のセシウム量でも十分低く、健康影響を心配するほどのレベルではなかった」とのコメントを載せています。

 内部被曝の影響についてはまだよく分かっていないと思います。

 朝日新聞は夕刊に「原発とメディア  容認の内実」を連載し、「原子力安全神話」に加担してきた自社の歴史を赤裸々に綴っています。

 その朝日新聞社が、今度は「放射能安全神話」に加担することは絶対に許されません。

(アース)

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コメント

たんばみき 様
コメントありがとうございます。
コープふくしまは、そうですか。
ブログの次の記事「野菜の放射能汚染は大丈夫?」 http://onndannka.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-f964.html
に書きましたが、今は野菜のセシウム汚染はかなり低レベルです。食品の安全基準は100ベクレル/kgより、もっと下げるべきだし、下げても野菜が足りなくなることはないと思います。問題があるとすれば検査態勢でしょうね。

投稿: アース | 2012年3月 6日 (火) 20時45分

以前から疑問に思っていたことがよくわかりました。
コープふくしまが、福島に住む方の1日の食事を測定して、確か高い人でも7ベクレルだから、大したことないから新基準をゆるめろと、厚生省の審議会で文句を言ったとネットでみました。コープは消費者の安心安全をうたっていたはずなのに、頭にきました。この時に確か京大に確認して影響があまりないとのコメントを入れてたと思います。やはり、からだに蓄積しますよね。

投稿: たんばみき | 2012年3月 6日 (火) 13時56分

あめり様
 コメントありがとうございます。
 今、一番線量が高いのは海底にすむ魚(カレイ、ヒラメ、アイナメ、メバル、コモンカスベなど)と淡水魚だろうと思います。福島のキノコ類も数十ベクレル/キログラムの物がありますね。

投稿: アース | 2012年1月23日 (月) 23時34分

低線量 0.2位の地域にいる4児の母です。
3.11より コメ 野菜 水 おかしすべてにおいて注意してきました。
内部被曝はできるだけ避けようと 回りに何を言われても続けていますが 1月19日の新聞にそういうふうに出ていたなんて。。。。 うちの1歳のちびちゃんもかと思うと、、、、、 福島に住む以上 これ以上子供たちに何ができるのか。。。。 また HP拝見させていただきます。

投稿: あめり | 2012年1月23日 (月) 20時50分

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