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ホットスポット、「放射能副読本」の真実:100ミリシーベルト以下でも危ないです! (その2)6~10ミリシーベルトで小児がんが・・・

 

 文科省が作った「放射線副読本」は問題だらけですが、私が一番「頭にきた」のは、安全キャンペーンです。

 「中学校教師用解説書」19頁「高等学校教師用解説書」13頁には、「放射線による影響」についての「指導上の留意点」として、「100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係については、明確な証拠がないことを理解できるようにする」と書かれています。

 しかし、「安全な被ばく量」は、ないのです。

 ムラサキツユクサでは2.5ミリシーベルトでも、突然変異が起こることが分かっています。

 ヒトのがんについても、100ミリシーベルト以下でも増えることが明らかになっています。 

 6~10ミリシーベルトで小児がん

  _4  

R.Dole,R.Wakeford Br.J.Radiol.70(1997) 130-139 より日本語化
縦軸はX線撮影枚数0の場合を1とした時の小児がん死亡率
図中の縦線は95%信頼限界。

 妊娠末期などに胎児と骨盤の関係を調べるためにX線検査をする場合があります。

 1956年、妊娠中にX線検査を受けた母親から産まれた子どもは、小児がんで死亡する割合が高いことが報告されました。

 上の図のように、X線撮影の枚数が増えるほど、小児がんで亡くなる危険性が高まることも明らかになっています。

 被ばく線量を減らす取り組みが行われていますが、6ミリシーベルトあるいは10ミリシーベルト**の胎児被ばくでも、小児がんによる死亡が増えています。

 *R.H.Mole Br.J.Cancer 62(1990) 152-168
 **R.Dole,R.Wakeford Br.J.Radiol. 70(1997) 130-139
乳がんも増える

Photo_2     

M.M.Doody ら SPINE 25 2052-2063(2000)より

 背骨が左右に弯曲(わんきょく)する脊柱弯曲症の患者さんは診断・治療の過程で何度も脊椎のレントゲン検査を受け、胸に被ばくします。

 女性患者さんの場合、レントゲン検査による被ばく量に応じて乳がんが増えることが明らかにされています。

 上のグラフの縦軸は、被ばくした患者さんの乳がん死が一般の女性の何倍多いかを示しています。

 赤丸が観察値で、斜めの直線は縦軸の1を通り観察値に一番近い直線です。

 被ばく線量が一番少ない44ミリシーベルトでも、乳がん死が増えています。

原爆被爆者でも34ミリシーベルト以上でがん死

2

 D.L.Preston 他 Radiat.Res. 160 381-407(2003)を改変
(近藤誠 著「放射線被ばく CT検査でがんになる」より)

 広島・長崎の原爆被爆者を追跡調査した結果、上の図のように、被曝線量に比例して固形がんで死亡する人が増えることが明らかになっています。

 グラフの縦軸は、原爆投下時の被曝線量が5ミリシーベルト以下だった人と比べて、固形がんによる死亡率が何倍増えたかを示しています。

 例えばがん死亡増加率が0.5なら、がん死亡率が0.5倍増えて1.5倍になるということです。

 グラフの●が調査結果で、直線は被曝線量とがん死亡増加率が直線関係にあると仮定して、調査結果と一番良くマッチするように引いたものです。

 このデータの低線量部分をくわしく調べると、下のグラフのようになります。

 Pnas20032

D.J.Brenner 他 Proc.N.A.S. 100 13761-13766(2003) を改変

 が被曝線量ごとのがん死亡増加率で、上下に延びる縦線は標準誤差の範囲を示しています。

 で表されている5~50ミリシーベルトのグループと5~100ミリシーベルトのグループでは標準誤差が大きいので、がん死亡が間違いなく増えているとは断定できません。

 しかし、の5~125ミリシーベルト(平均34ミリシーベルト)以上の4グループでは、 誤差を考えても、間違いなくがん死亡が増えています。

 少なくとも34ミリシーベルト以上では、固形がんで死亡する率が高まることが明らかになっているのです。

 「放射線副読本」や「解説書」が言う「100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係については、明確な証拠がない」なんて、とんでもない話です。 

ICRPも認める 

 国際放射線防護委員会(ICRP)は「原子力の平和利用」を打ち出した米国の主導で作られ、原発推進を目的にしているなどの批判を浴びています。

 しかし、そのICRPでさえ、2007年の勧告(ICRP Publication 103)では

「放射線防護の目的には・・・約100ミリシーベルトを下回る低線量域では、がんあるいは遺伝性影響の発生率が・・・線量の増加に正比例して増加するであろうと仮定するのが科学的に妥当であろう

と述べています。

正しく怖がり、自分の健康は自分で守ろう

 文科省だけでなく、多くの「専門家」が「100ミリシーベルト以下ではがんが増えるかどうか分かっていない」と言っていますが、それは誤りです。

 6~10ミリシーベルトでも、がんが増えるのです。

 繰り返しますが、「安全な被ばく量」はありません。

 できるだけ被ばくしないように注意することが肝腎です。

 政府や「専門家」の言うことを真に受けていては、健康を守ることはできません。

 「安全な被ばく量なし」を肝に銘じ、自分の健康は自分で守りましょう!

(アース)

Photo_3

「朝日新聞」2011年11月17日 30面より

 


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コメント

文科省が作った「放射線副読本」の内容は服毒本

 100ミリ以下は見て見ぬ振りのほっかむり、市民の健康より原発がお大事のようだ。
特に子供の被爆には気をつけなければならない文科省が100ミリシーベルトまでは安全を子供達に刷り込むこもうとしている。
100ミリ安全神話は文科省による汚染教育だ。
 未来世代には「安全な被ばく量」は、ないをきちんと教育すべきだ。

投稿: ホウシャ | 2011年11月21日 (月) 17時59分

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