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2009年6月

この中期目標の、どこが低炭素「革命」なの?!

 生活者、産業界、労働界、国、地方、みんなが一致協力して、生活のライフスタイルや産業構造の転換など、低炭素革命実現のためには行動を起こさなければならないと思います

 こう述べたのは、「上げ底総理」麻生君である。

Photo_2 2009.6.10 記者会見紹介より

 低炭素「革命」と言う割には、1990年比8%減を2005年比15%削減と称した「上げ底」中期目標に対し、国内外から批判の声が上がっている。

 総理は、国民に意識改革を訴える前に、まず自分の政策を考え直すべきだ。「100年に一度の経済危機」をいいことに、高速道路料金を大幅値下げして人気取りを図り、マイカーによるCO2排出を奨励しているのは、低炭素「反革命」である。

Photo   

 上の図から明らかなように、「低炭素革命のリーダー」にふさわしいのは、日本よりドイツだろう。

 ドイツでは、

  1. 将来の気温上昇を2℃以下に抑制するために必要な温室効果ガス削減対策をとること
  2. エネルギー消費を抑制すること
  3. リスクのある原子力ではなく、再生可能エネルギーを普及拡大していくこと
  4. を基本としている。

 そのための主要対策として、

  1. 温室効果ガスの中長期的大幅削減計画を立てる
  2. 環境税を導入
  3. 再生可能エネルギー普及政策

などの対策がとられている(和田武「飛躍するドイツの再生可能エネルギー」世界思想社)。


増税なき環境税導入を!

 低炭素「革命」と言うなら、まずは環境税導入だろう。CO2を出すとお金がかかるという状況を作り出すことが必要だ。

 ドイツは1999年4月から環境税を導入した。具体的には、石油燃料、天然ガス、液化ガスへの課税をアップし、電力にも新たに課税した。

 その税収の大部分は年金保険料の引き下げに当てられ、国民や企業の負担軽減が図られている。一部は再生可能エネルギー熱利用プラントへの補助などに使われている。

 その結果、自動車利用の減少、自動車の燃費改善、鉄道利用の増加などの成果が上がっているという(和田武「飛躍するドイツの再生可能エネルギー」)。

 
環境税は低炭素革命の象徴

 日本では、経団連に代表される大企業を中心に、環境問題はお荷物だ、企業の邪魔だという意識が強い。経団連は中期目標として、1990年比4%増を主張していたくらいだ。

 しかし、今や発想を転換して、環境問題への取り組みを通じて企業利益を図る時代だ。あの麻生君だって、「グリーン・ニューディール」と言う時代なのだ。

 低炭素「革命」の象徴として、まず環境税を導入すべきだ。

(アース)
 

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「上げ底総理」の中期目標は恥ずかしい!!

2_2

 麻生首相は10日の記者会見で、「2020年までに日本の温暖化ガス排出量を15%削減する」と、誇らしげに宣言した。会見冒頭には、温暖化による海面上昇で危機に瀕しているキリバス共和国の写真を見せ、「温暖化を憂える総理」を演じていた。

 しかし「15%削減」は2005年の排出量に対する割合であり、京都議定書の1990年を基準にすると、わずか8%の削減に過ぎない。

 しかも、上の図から明らかなように、ドイツなどEU諸国は着実に温暖化ガス排出を削減してきたのに対し、日本は削減どころか、増加させているのだ。

 麻生首相の言う「2005年基準」とは、2005年までの努力の違いを一切切り捨て、温暖化ガスを増加させてきたことを利用して2020年の削減幅を上げ底で大きく見せようというものだ。

 こんなやり口で「リーダーシップ」を云々するとは、品性を疑う。

(アース)

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