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日本の太陽熱温水器は中国製より、はるかに遅れている!?

  家庭で出すCO2の実に23%は給湯によるものだという。

 給湯と言えば、ちっともエコじゃない「エコ」キュート(しかも高い!)なんか買わなくても、ふんだんに使える太陽熱でお湯を沸かせばいいわけだ。

 第2次オイルショック以降、1980年代前半までは、日本で太陽熱温水器が普及した。しかし1980年代後半には低迷し、中国が温水器先進国に躍り出てきた。

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 年間の設置面積では中国がダントツだ。

1000

グラフは「電力中央研究所報告」による

 1000人当たりの年間設置面積で見ても、中国は日本の5~6倍に達しているようだ。

 

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 中国有数の工業地帯・山東省の中心都市・済南市はエコタウンを目指し、2010年までにCO2排出量を20%削減すると宣言している。

 切り札は太陽エネルギー。新築の建物に太陽熱温水器の設置を義務づけている。

 太陽熱温水器は約3万円。燃料代が節約できるので、3年で元がとれる計算だという。

 済南市では太陽熱温水器の関連会社が100社以上もあり、市内では3軒に1軒が温水器を設置している。

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 農村部でも太陽熱温水器を普及させている。最近まで電気もガスもなかった済南市艾家村(あいかそん)では自治体などが費用を負担し、全所帯に設置されている。

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 中国の太陽熱温水器はどんなものなのか
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 これは中国から輸入して日本で売られている「サナース」という太陽熱温水器である。販売会社によると、中国では6万円くらいで売られているという。

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 真空ガラス管で集熱効率を高め、コントローラーで温度表示や水位設定もできる。かなり高性能と言えるだろう。

日本製は20万円以上

日本製の太陽熱温水器は?というと、例えばこんな構造である。

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 これは朝日ソーラーのASN-230FB だが、定価が約32万円。長府製作所のエコワイターが約20万円。中国製と比べ、かなり高い。

 しかも、太陽熱で水を温めるのに、日本製は「平板型」集熱器を使っているのに対し、中国製は「真空ガラス管」集熱器である。

 真空ガラス管方式は、魔法瓶のようなもので、お湯が冷めにくい。気温の低い冬でもお風呂の湯を得ることができる。

 長期にわたって真空を維持しなければならないので、平板型より高性能・高コストとされている。

 日本製より中国製の方が、高性能で、かつ、はるかに低価格なようだ。

再生可能エネルギー普及策の違いを反映?

 中国は経済発展を支えるエネルギーの不足と環境汚染に直面し、再生可能エネルギーの促進に本格的に取り組んでいる。

 先に触れた済南市の太陽熱温水器普及策もその一環だろう。

 自治体の費用で温水器を設置したり、新築の建物に設置を義務づけたりすれば、量産効果で価格をどんどん引き下げることができる。

 2007年、中国の太陽熱温水器の生産量は2300万平方メートル、保有量は1億800万平方メートルで世界の76%を占めるという。

 他方、日本では太陽熱温水器の普及策は講じられてこなかった。東京都が2009年4月から補助金を出すようになったのが目立つ程度だ。

 そうした普及策の違いが、太陽熱温水器を巡る現状の、圧倒的な違いとして表れているのではなかろうか。

(アース)

追伸 2012年2月6日の東京新聞朝刊19面「エネルギー再考」に「太陽熱温水器の世界事情」「中国 国家戦略で促進」が掲載されています。


 原発ゼロ・脱被曝に向けた最新の行動予定はこちら

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コメント

太陽熱システムを詳しく知りたい

投稿: 山本 昇 | 2014年3月28日 (金) 03時56分

太陽熱給湯機の詳細を知りたい

投稿: 山本 昇 | 2014年3月28日 (金) 03時54分

日本でなぜ太陽熱温水器が普及しないのか、基本的な問題ですが、水圧の問題があります。
日本は狭く二階建て以上の住宅が多いですが、日本にはりめぐらせている上水道はほとんど二階にあげる水圧がありません。そのため、屋根の上に水を上げるにはモーターが必要となりコストがかかります。
日本の水道管はすでにかなり古くなっているので、日本中の
水道管を引き直す国家プロジェクトをやれば一気に普及すると思います。

投稿: ゆう | 2012年8月12日 (日) 00時32分

サナースって中国製だったのですね。日本のメーカーが販売しているらしかったので日本製かと思っていました。長府製作所やノーリツの製品と比べて安価なので魅力ですね。
自作の太陽熱温水器を紹介したページを見つけましたので情報提供がてらURLを置いておきます。
http://solar.take-4.net/

投稿: エコマニア | 2012年1月28日 (土) 17時38分

プラント機器製造の寺田鉄工所(福山市)が開発した水道直結型の太陽熱温水器「サントップ」が、環境負荷の低減に優れた製品を
表彰する「エコプロダクツ大賞」で経済産業大臣賞に選ばれた。
水道水を太陽熱で温める補助熱源で、給湯器への給水を常に温水にする為、ガスや灯油の使用量を節約できる。

 温水器は水道管と給湯器の間に接続する。長さ150cm、直径4.7cmの真空ガラス管24本を並べた集熱器に、195Lの貯湯タンクをつなげた構造。
ガラス管の内部にコーティングした選択吸収膜で太陽光を熱エネルギーに転換し、ヒートパイプを通じてタンクに熱を伝える。
常温より35~40度高い温水を給湯器に送る。高温のお湯は、ミキシング弁にて水と混合して温度を下げて給湯器へ送る。水道圧を利用しているため、ランニングコストは不要である。

 2009年、一戸建て住宅向けに発売した。また、産業用ボイラーの一次側に複数器を連結することも可能で、ホテルや老人ホーム、工場などでも採用されている。

 東日本大震災後に節電の取り組みが広がり、引き合いが増えている。
太陽熱を利用した設備を導入した集合住宅の建設を進める為、東京都が住宅供給業者を支援する補助事業の対象にも11月に選ばれた。
大手マンションディベロッパーなどと組み、都内で着工する集合住宅への採用も決まった。

▽ソース:中国新聞 (2011/12/17)
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201112170141.html
▽画像
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn20111217014101.jpg

投稿: まっしー | 2011年12月24日 (土) 00時02分

3.11以来、太陽電池の普及がメディアで取り上げらていますが、私のような素人が考えても、太陽熱温水器の方がエネルギー効率がいいに決まってます。なんでもっと普及しないんですかね。朝日ソーラーの会社のイメージが悪いせいでしょうか。何度も悪い評判がでたし。中国の製品をどんどん輸入して安く売る会社が出てこないかな。そしたら補助金なしでも普及するでしょう。・・・このページで太陽電池と太陽熱給水機の比較を特集してくれませんか? 

投稿: 福田紋一郎 | 2011年9月 5日 (月) 10時41分

中国には、太陽熱温水器の販売会社は3000社ほどあります。その中で輸出に耐えうる品質の会社は数社です。中国では、製品を真似るという習慣がありますが、品質システムを真似るという習慣がないため品質のバラツキが大きいのです。同じ真空管に見えても真空度がバラついてます。また、ガラスの強度にも大きくバラツキがあります。
中国製といっても日本の品質管理システムが導入されてるかどうかが決め手となります。
これは、太陽熱温水器に限りません。アパレルも家電製品も自動車部品もすべてそうです。
既に、中国では、新幹線もロケットも自動車も作れます。消費者は、選ぶ目を持つことが大切です。

投稿: tera | 2011年4月12日 (火) 00時15分

 サナースの販売会社は中国製だと言っていました。

投稿: アース | 2011年2月 2日 (水) 20時28分

たしかに 日本の落水式温水器設置しているか家は多い
今や困っている人が多いのも事実 でも私は太陽熱温水好きである 真空直圧式ならいいと思うし既存ボイラーに接続すればGOOD 問題は価格だろう サナースはやはり中国製でしたか?

投稿: ミヤビ | 2011年2月 2日 (水) 17時47分

エコ、効率的、価格が安い、などの条件を満たす暖房を探すうちにこのブログに当たりました。私も太陽熱温水器をぜひ広めるべきと考えていますが、エコキュートの「98℃」には温水中に細菌を増殖させない、という意義も含まれているのではないかと思います。朝日ソーラーの太陽熱温水器もその問題で一時期消えていたと思いますが、輸入物の温水器はそういうことに対策が立てられているようでしょうか?

投稿: インディ我戸川 | 2010年10月24日 (日) 13時46分

 コメントをありがとうございます。招待状は、このブログの「ライター」に登録して記事を書くための手続きに必要なメールです。このブログへの投稿を希望される方に招待状をお送りします。

投稿: アース | 2009年10月15日 (木) 20時56分

ブログを拝見しました、私どもはこの度新規に会社を興し太陽熱給湯器の製造販売を始めました、上記のコメントにもあるとおり、太陽熱利用は真空管方式です、水を屋上へ上げる方法はだめです、ホームページも作成中ですが
目指している事が同じ様ですので投函しました
招待状とは何ですか。

投稿: カ)アイシステム | 2009年10月15日 (木) 14時38分

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