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2008年10月

海面上昇が日本を襲う!?


 温暖化で海が暖まると、表面近くの海水が膨張し、海面が上昇する。グリーンランドなど各地の氷河・氷床などが溶けることも海面を上昇させる。


消滅の危機、モルディブ諸島

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「地球エコ2008 サンゴは訴える」(2008年9月14日 NHK総合テレビ)より

 インド洋に浮かぶサンゴ礁の島・モルディブ諸島。

 かつて、この場所には砂浜があり、大潮の時でさえ、ここまで波が来ることは決してなかった。それが今では砂浜は跡形もなく、打ち寄せる波がわずかばかりの土を削り取っていく。

 海岸侵食に気づいたのは10年ほど前。毎年どんどん削られている。海面上昇によって強くなった波の力が海岸から土を剥ぎ取り、運び去ってしまった。このままの状態が続く限り、この島は、いつかなくなってしまう。


温暖化が引き起こす悪循環

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「地球エコ2008 サンゴは訴える」(2008年9月14日 NHK総合テレビ)より

  海岸侵食はサンゴにも悪影響をもたらす。

 流れ出した土砂で海が濁り、褐虫藻が光合成できず、サンゴの多くは死んでしまう。

 サンゴが死ぬということは、自然の防波堤が失われるということだ。大きな波が打ち寄せ、さらに海岸侵食が進む。地球温暖化が限りない悪循環をもたらしている。


塩水化で飲み水がない

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 海面が上昇すると、川を通じて海水が内陸にまで浸透していく。

 上の図は海抜1メートル以下の低地が広がるバングラデシュの様子を示している。

 青色で示された川に、赤色の海水が黄色線の下側まで入り込んでいる。その範囲は1960年代から2000年へと、確実に広がっている。

 井戸水の多くが塩辛くて飲めず、農作物を育てることもできない。世界有数の米作地帯バングラデシュで、コメの生産が大きく減る事態が起きている。

 井戸に頼れなくなった住民は、仕方なく、雑菌が繁殖しやすい溜め池の水を飲み、腸チフスや重度の下痢など、病気にかかる人が後を絶たない。とりわけ、抵抗力の弱い子どもたちが深刻だ。病気が蔓延し、死に至るケースも珍しくない。

 バングラデシュが出すCO2は世界のわずか1%なのに、温暖化の影響をとりわけ深刻にく受けているのだ。 

 2004年10月20日、台風23号の激しい高波により、高知県室戸市の菜生(なばえ)海岸の堤防が約30mにわたって倒壊し、堤防を越えた波が背後の家屋13戸を破壊、3名が亡くなるという惨事となった。

 台風などで気圧が下がると海面が吸い上げられ、沖からの強風で海水が岸側に吹き寄せられると、高潮が発生する。温暖化によって海面が上昇していれば、高潮による洪水の可能性も大きくなる。

海面上昇が日本を襲う!?

 国連ハビタットは10月22日、地球温暖化に伴う海面上昇で、海抜の低い東京、大阪、神戸やニューヨークなど世界の主要都市が洪水被害などに遭う危険性が高まると警告する「世界都市状況報告」を発表した。

 日本では、約2700万人が海抜10メートル未満の低地に住んでいるという。

 報告は、温暖化に伴い1990-2080年に控えめに推定して海面が22-34センチ上昇するとし、2100年までに1メートル上昇するとの予想もあると指摘。

 特に大阪、神戸などが洪水に見舞われる恐れが大きいとし、貿易の基盤である港湾施設への深刻な被害が懸念される都市として東京、ニューヨーク、オランダのアムステルダムを挙げているという。

(アース)

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サンゴの天敵・オニヒトデは人間が異常増殖させた

 上の写真はオーストラリアのグレートバリアリーフに流れ込んだ泥水だ。

 沖縄でも、雨の後にパイナップルやサトウキビ畑からの土で川が赤く濁り、河口から赤い水塊がサンゴ礁へと広がっている光景がよく見られるという(本川達雄著「サンゴとサンゴ礁のはなし」)。

 泥水が流れ込むと、海中に光が届かなくなり、褐虫藻が光合成できなくなる。サンゴは炭素化合物を褐虫藻の光合成に依存しているので、これは死活問題である。

 泥水がオニヒトデを異常増殖させる

 下の図はオーストラリア・国立海洋研究所の研究を示している。赤丸が洪水、赤い縦棒がオニヒトデの大発生を示している。

 洪水が起こって泥水がグレートバリアリーフに流れ込むと、その2~3年後にオニヒトデが大発生するという。なぜか?

 洪水になると、化学肥料が混ざった土砂が海に大量に流出する。

 化学肥料に含まれる栄養分によって植物プランクトンが繁殖、その植物プランクトンを餌にしてオニヒトデの子どもが増殖し、大量発生が起きる。

サンゴの天敵・オニヒトデ

 オニヒトデは15本の腕を持ち、腕の端から端まで、大きいものは60センチに達する。地面に接する面の中央に口がある。

 「サンゴの上に乗り、普段は体内にしまい込まれている胃を裏返しにして口から吐き出してサンゴの上に広げる。胃は消化酵素を分泌してサンゴの軟体 部を溶かし、溶けた液を吸収する。オニヒトデが去ったあとには真っ白いサンゴの骨格が残る(本川達雄著「サンゴとサンゴ礁のはなし」)」。

泥水を生み出したのもニンゲン

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NHK総合テレビ「サンゴの悲鳴が聞こえるよ」より

 以前、沖縄の農地は森や段々畑で細かく区切られ、赤土の流出は抑えられていた。1972年に日本に返還された後、生産性を上げるため大規模な区画整理が行われた。以来、肥料を含んだ大量の赤土が海に流れ込むようになった。

 グレートバリアリーフでも、沿岸の森林を伐採してサトウキビ畑が作られた。そのサトウキビ畑から泥水が海に流れ込み、光合成を抑え、オニヒトデを大量発生させ、サンゴを死滅させつつある。温暖化も、泥水も、ニンゲンの仕業である。

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国際金融危機と地球温暖化

 「米国は産業の実力以上の軍事支出と過剰消費社会を維持してきた。なぜそんなことが成り立つかというと、世界中から金が流れ込む構造を作ったからだ」と指摘されている(2008年10月9日 朝日新聞朝刊15面 財団法人日本総合研究所・寺島実郎氏)。

 イラク戦争に注ぎ込まれた戦費はすでに約100兆円を超え、ドルの信用を揺るがしてきた。そこに決定的な打撃を加えたのがサブプライム・ショックだった。返済能力がない人々にまで金を貸して住宅を買わせ、過剰消費を煽ってきたツケが回ってきたのだ。そして遂には銀行同士でさえお互いに信用できない不信の構造に落ち込み、お金が回らず、株価が暴落、恐慌の不安さえもたらしている。

 この国際金融動乱は、過剰消費と軍事支出で支えられてきた経済メカニズムの末期症状と言えよう。

 クレジットカードや消費者金融など、お金を貸すシステムを「整備」して消費を煽り立てる。それがエネルギー・資源を大量消費し、地球温暖化を招いてきた。各国が持っている武器・弾薬などを製造・使用する過程で、一体どれだけのCO2が排出されているのか、見当もつかない。今、この瞬間にも、アフガニスタンで、イラクで、多くの人々が殺害されている。その軍事力は、過剰消費の体制を守るために行使されている。

 国際金融危機も、地球温暖化も、その根っこは軍事力に守られた過剰消費の体制にある。

                                            (アース)

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人食いライオンの謎

森林伐採は人食いライオンを生み出す。
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豊かな森や草原を伐採したり人間が動物の居住区に侵略すると、環境破壊や温暖化だけではすまない。とんでもない事が起こる。
人を食べる事が習慣として無かったライオンが、人を餌として、空腹を満たすようになった。
餌としての人間はあまりにも狩りをし易く、その肉は絶望的に食べやすく軟らかいのである。
森や草原を伐採したため、ライオンは餌である動物を失い、行き場も失くし、放浪の末、人間を襲うようになった。
東アフリカ・タンザニアではこの2年間で25人も食べられてしまった。
人間が招いた復讐なのかもしれない。

 
 宇宙船地球号より
 

                                    byエコエンジェル                                     

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