海面上昇が日本を襲う!?
温暖化で海が暖まると、表面近くの海水が膨張し、海面が上昇する。グリーンランドなど各地の氷河・氷床などが溶けることも海面を上昇させる。
消滅の危機、モルディブ諸島
インド洋に浮かぶサンゴ礁の島・モルディブ諸島。
かつて、この場所には砂浜があり、大潮の時でさえ、ここまで波が来ることは決してなかった。それが今では砂浜は跡形もなく、打ち寄せる波がわずかばかりの土を削り取っていく。
海岸侵食に気づいたのは10年ほど前。毎年どんどん削られている。海面上昇によって強くなった波の力が海岸から土を剥ぎ取り、運び去ってしまった。このままの状態が続く限り、この島は、いつかなくなってしまう。
海岸侵食はサンゴにも悪影響をもたらす。
流れ出した土砂で海が濁り、褐虫藻が光合成できず、サンゴの多くは死んでしまう。
サンゴが死ぬということは、自然の防波堤が失われるということだ。大きな波が打ち寄せ、さらに海岸侵食が進む。地球温暖化が限りない悪循環をもたらしている。
海面が上昇すると、川を通じて海水が内陸にまで浸透していく。
上の図は海抜1メートル以下の低地が広がるバングラデシュの様子を示している。
青色で示された川に、赤色の海水が黄色線の下側まで入り込んでいる。その範囲は1960年代から2000年へと、確実に広がっている。
井戸水の多くが塩辛くて飲めず、農作物を育てることもできない。世界有数の米作地帯バングラデシュで、コメの生産が大きく減る事態が起きている。
井戸に頼れなくなった住民は、仕方なく、雑菌が繁殖しやすい溜め池の水を飲み、腸チフスや重度の下痢など、病気にかかる人が後を絶たない。とりわけ、抵抗力の弱い子どもたちが深刻だ。病気が蔓延し、死に至るケースも珍しくない。
バングラデシュが出すCO2は世界のわずか1%なのに、温暖化の影響をとりわけ深刻にく受けているのだ。
2004年10月20日、台風23号の激しい高波により、高知県室戸市の菜生(なばえ)海岸の堤防が約30mにわたって倒壊し、堤防を越えた波が背後の家屋13戸を破壊、3名が亡くなるという惨事となった。
台風などで気圧が下がると海面が吸い上げられ、沖からの強風で海水が岸側に吹き寄せられると、高潮が発生する。温暖化によって海面が上昇していれば、高潮による洪水の可能性も大きくなる。
国連ハビタットは10月22日、地球温暖化に伴う海面上昇で、海抜の低い東京、大阪、神戸やニューヨークなど世界の主要都市が洪水被害などに遭う危険性が高まると警告する「世界都市状況報告」を発表した。
日本では、約2700万人が海抜10メートル未満の低地に住んでいるという。
報告は、温暖化に伴い1990-2080年に控えめに推定して海面が22-34センチ上昇するとし、2100年までに1メートル上昇するとの予想もあると指摘。
特に大阪、神戸などが洪水に見舞われる恐れが大きいとし、貿易の基盤である港湾施設への深刻な被害が懸念される都市として東京、ニューヨーク、オランダのアムステルダムを挙げているという。
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