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温暖化とバター不足

日常の食生活にも温暖化の脅威が出てきている。。
温暖化によってバターなど乳製品が不足してきたのである。

 写真を撮る時「はい、チーズ!」。作り笑いでカシャッと撮る。チーズ笑いはカッコがつくが、「はい、バター!」はさまにならない。ためしに「はい、バター!」で撮ってみた。「あっ!」と驚いた顔になる。
ところが先日妻がスーパーへ行ってバターがないので「あっ!」と驚いたそうである。
人間もクルマと同様、油で動いている。なかには暇で油を売っている人もいるが。
 人間油が切れるとエネルギーが無くなり、細胞もホルモンも構成できなくなる。体温は低下、髪や顔の艶が無くなり、身体全体を守るクッションが無くなる。

 牛乳は生産過剰だったはず。大手メーカーの事故などもあり、消費量が激減した。生産者は泣く泣くもったいないと思いながらも搾り取った牛乳を捨てていた時期があった。
 それが何故バターも作り出せないほど不足になってしまったのか。

 国際的には需要が3パーセントずつ毎年ふえているのである。だからと言って過剰生産分を輸出するほど安くない(大手が生産者から安く買い叩く口実になっている)。

 結局政府は減産政策をせざるを得なくなった。
過剰分は大規模なチーズ工場を作り、つじつまをを合わせた。この時、儲けが少ないという理由で、平等にバター工場を作らず、バターは備蓄のみとなった。これが第一の失策である。
 徐々にバターの生産が追い詰められていくのである。さらに2007年、猛暑が続き、暑さに弱い牛乳生産はジリ貧。儲けの大きい飲用乳、発酵乳に優先された。バターにますます原料乳は回らなくなって行った。
いままでバター不足の調整はオーストラリアから輸入していた。それも関税が高い上に二次関税などの制限もあり、正式な名称は明記せずバターモドキとして日本に安く入っていたのである。

 ところがオーストラリアの大干ばつで穀類や牧草が枯れはて、牛の餌が無くなり、大量の乳製品の生産が大被害をこうむった。国際的には EUでは輸出補助金を撤廃したため、輸出量が激減した。
   アジアではインド、中国が豊かになり、膨大に消費するようになり、需要が大幅に拡大。そして乳製品などバターは急騰し、オーストラリアからの輸入は激減した。

 オーストラリア全土で過去1000年で最悪の大干ばつである。
 原因は温暖化による気候変動で海水温が変化したためだ。
これはインド洋の「ダイポールモード現象」によるもの。
ふだんはインド洋で熱帯の上昇気流が雲を作りオーストラリアへ。
ところがインド洋の西と東で海水温が逆転、オーストラリアへ乾燥した下降気流(高気圧)が流れ込み、大干ばつを起こしたようだ。東西が逆転したので、ラニーニャ現象に似たようなもの。
 生産過剰で在庫していた国産バターを全て放出しても足りずに、バターが消えてしまったのだ。そこで農林水産省所管の独立行政法人・農畜産業振興機構は11日、ウルグアイ・ラウンド交渉で政府が約束したバターの輸入を、通常の年度より前倒しして実施すると発表した。

参考

輸入手続
1.関税分類関係
 関税の国内分類において、バターはミルクから得た天然のバター、ホエイバターおよび還元バターであり、 乳脂肪の含有量が全重量の80%以上95%以下であって、無脂肪分が全重量の2%以下であり、かつ、水分が全重量の16%以下のものを言い、040510 号に分類されます。また、やぎまたは羊のミルクから得られたバターもこの分類に含まれます。
 なお、バターと他の動物性油脂または植物性油脂との混合物および調製品は1517.90号に分類されます。

2.加工原料乳生産者補給金等暫定措置法関係
 同法に基づき、輸入者は農畜産業振興機構と「一般輸入に係る指定乳製品等の買入・売戻」の契 約をする必要があります。輸入申告の前日までに、機構あてに「売渡・買戻申込書」を提出し、「買入・売戻承諾書」の交付を受けます。詳細については、農畜 産業振興機構に問い合わせて下さい。

3.関税割当関係
 関税割当制度とは、一定の枠内での輸入分については無税または低率な関税率(一次税率)を適用し、一定枠を超える輸入分 については、高率な関税率(二次税率)を適用する制度です。一次税率の適用を受けようとする場合は、農林水産省に割当申請する必要があります。バターの場 合、特定の用途に使われるものに限定されており、一般用のバターはこの制度の適用外です。

4.食品衛生法関係
 販売を目的として本品を輸入する場合は、厚生労働省検疫所輸入食品監視担当へ「食品等輸入届出書」に必要な書類を添付 して届け出る必要があります。検疫所における審査・検査の後、食品衛生法上問題がなければ、届出書に「届出済」印が押捺され、返却されます。詳細について は、検疫所に問い合わせて下さい。また、バターについては、食品衛生法に基づく省令により規格、表示基準などが定められており、それに適合することが重要 です。
 なお、残留農薬、飼料添加物、および動物用医薬品の規制に関して、平成18年5月にポジティブリスト制(食品衛生法第11条第3項)が施行されたため、注意を要します。

5.農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(JAS法)関係
 同法に基づき、販売時には品質表示基準に従って、一括表示を行う 必要があります。この中で、輸入品には原産地(国)表示が義務付けられています。また、有機食品の検査認証制度により、有機JAS規格に適合しなければ 「有機」、「オーガニック」などの表示は禁止されています。

6.輸入通関関係
 「輸入(納税)申告書」、上記で取得した「届出確認済食品等輸入届出書」、「買入・売戻承諾書」にインボイス、B/L、 保険明細書等の関係書類を添付して税関へ提出します。税関においては、審査・検査および納税の後、輸入許可書が交付されます。また、関税割当による一次税 率の適用を受ける場合は、「関税割当証明書」を提示します。

7.その他の留意事項
 不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)により、過大な景品付販売や消費者に誤認されるおそれのある誇大・虚偽表示等を禁止しています。
                                    byエコエンジェル

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