日本は低炭素化の超後進国
5月19日の朝日新聞朝刊3面に「温暖化対策 日本は62位」という記事が載っていた。
世界銀行が主なCO2排出国70ヵ国を対象に94~04年の削減対策の進展を評価したところ、日本は62位だった、という。洞爺湖サミットで温暖化対策の主導権を握りたい福田首相には頭の痛い話だろう。
日本の省エネは進んでいるはずなのに、62位とは一体どういうことだろう?
この記事の元になった世界銀行の報告書「 Growth and CO2 Emissions(成長とCO2排出)」を読んでみた。62位というのは、オフセット係数という指標で評価した各国の温暖化対策ランキングで、下記のようになっている。
| 順位 | 国 名 |
オフセット 係数 |
| 1 | ウクライナ | 267.4 |
| 2 | ルーマニア | 183.6 |
| 3 | デンマーク | 169.1 |
| 4 | ブルガリア | 140.3 |
| 5 | ベラルーシ | 136.4 |
| 6 | アゼルバイジャン | 135.5 |
| 7 | チェコ | 124.4 |
| 8 | ポーランド | 123.7 |
| 9 | アルジェリア | 122.6 |
| 10 | スロバキア | 113.5 |
| 11 | ハンガリー | 109.5 |
| 12 | ドイツ | 103.9 |
| 13 | ナイジェリア | 102.7 |
| 14 | ロシア | 101.0 |
| 15 | スウェーデン | 100.4 |
| 16 | 英国 | 92.4 |
| 17 | コロンビア | 83.6 |
| 18 | フィンランド | 80.7 |
| 19 | モロッコ | 77.3 |
| 20 | カザフスタン | 75.0 |
| 21 | 米国 | 62.1 |
| 22 | スイス | 56.7 |
| 23 | クロアチア | 51.5 |
| 24 | ペルー | 50.6 |
| 25 | アイルランド | 50.2 |
| 26 | カナダ | 45.8 |
| 27 | フランス | 45.5 |
| 28 | メキシコ | 45.1 |
| 29 | チュニジア | 43.8 |
| 30 | ウズベキスタン | 42.8 |
| 31 | 中国 | 40.5 |
| 32 | ニュージーランド | 37.9 |
| 33 | パキスタン | 37.1 |
| 34 | ギリシャ | 36.5 |
| 35 | アラブ首長国連邦 | 35.7 |
| 36 | ベルギー | 32.0 |
| 37 | トリニダード・トバゴ | 30.4 |
| 38 | インド | 30.0 |
| 39 | 韓国 | 29.9 |
| 40 | 南アフリカ | 26.8 |
| 41 | オランダ | 21.7 |
| 42 | バーレーン | 21.5 |
| 43 | シリア | 19.0 |
| 44 | フィリピン | 14.2 |
| 45 | エクアドル | 12.4 |
| 46 | オーストラリア | 10.3 |
| 47 | シンガポール | 8.8 |
| 48 | オーストリア | 6.0 |
| 49 | エジプト | 5.7 |
| 50 | ブラジル | 4.0 |
| 51 | イスラエル | 3.5 |
| 52 | ベトナム | -3.3 |
| 53 | トルコ | -4.9 |
| 54 | イラン | -6.3 |
| 55 | マレーシア | -10.5 |
| 56 | チリ | -16.2 |
| 57 | ポルトガル | -18.6 |
| 58 | ノルウェー | -19.5 |
| 59 | イタリア | -24.4 |
| 60 | スペイン | -25.4 |
| 61 | オマーン | -26.9 |
| 62 | 日本 | -31.9 |
| 63 | バングラデシュ | -33.2 |
| 64 | インドネシア | -33.9 |
| 65 | アンゴラ | -38.6 |
| 66 | ドミニカ | -45.6 |
| 67 | タイ | -74.6 |
| 68 | ベネズエラ | -83.8 |
| 69 | アルゼンチン | -89.8 |
| 70 | サウジアラビア | -102.8 |
この評価は、あくまでも1994年から2004年までの10年間に各国のCO2排出がどう変わったかを見ている。1993年までは温暖化対策を進めていても、94年以降停滞していれば、評価は低くなる。ここにあげられている70ヵ国のCO2排出量は世界全体の排出量の95%に達している。
温暖化対策を評価する時に、CO2排出量の増減だけでは評価できない。不景気や人口流出によってもCO2排出量は減少するからだ。
この報告書では、各国のCO2排出量の変化を、
C:一定量の化石燃料を燃やして出るCO2量の増加
S:エネルギー使用に占める化石燃料使用割合の増加
I:GDP当たりのエネルギー使用量の増加
G:一人当たりGDPの増加
P:人口の増加
の五つの要因に分けて分析している。
上の表の「オフセット係数」は、-{C+S+I/G+P} を%で示している。
人口が増え、経済が成長しても、CO2排出の少ない化石燃料を増やし、化石燃料の比率を下げ、少ないエネルギーで経済成長していけば、オフセット係数は大きくなる。この10年間に低炭素社会化の政策がとられているかどうかの指標なのだ。
オフセット係数が100ということは、一人当たりGDPと人口の増加をちょうど帳消しにする対策が取られたということだ。マイナスになるのは、低炭素化に逆行しているということになる。
日本のオフセット係数がマイナスで、62位にランクされたのは、化石燃料の中でもCO2排出の多い石炭の使用量を増やし、再生可能エネルギーの導入を怠り、少ないエネルギーで経済成長する仕組みができていないからである。低炭素社会への動きに逆行しているのが、日本なのだ。
(アース)
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ばならない問題です。

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